第8話 領境に派手な花火

転生して15日位経っただろうか?

元々わしは、年月をあまり気にせん質で、通算760歳も正確な歳じゃぁ無い。

正確なのは、神々にいたぶられた500年位、孫の小助が最後に言ってくれた、

「婆ちゃん、どんな事をしても生き抜いて!!」の約束を守って居るだけじゃ。


周辺から集まって来た群衆、何を期待して居るのか、あちらこちらの空き地で野宿しながら未だに居座っておる。

わしは、偽善者じゃ!!宝物庫の有り余る金貨を消費し、酒場や宿屋の厨房を駆使し、大々的に炊き出しを施してやった。

臨時に賄い婦を多数雇い対応もさせた。

マンバ姫様の施しと、賢者テレスが大宣伝までしておった。

無計画着の身着のままの、今の彼らには食料は嬉しいだろう!!

「食い物の恩、わっははっ!民衆の心も掴んだかのぅ!」



2日後領民に、マンバ領宣言する事になっておる忙しい時に、隣接して居るヤラシアとショボンヌが同盟を結び、クロノとカスメが争って居る今一気に2領を滅ぼす行動に出ると、ヤラシアとショボンヌに放って居た間者から、第一報がはいった。

カスメブタ領主めの、情報収集能力は見習う所が多い、クロノに来ていた間者、怒りに任せ処分したのは、ちょっと失敗だったか。


クロノは争って居ないし、カスメは消滅して居るぞ!!

ヤラシアとショボンヌは正確な情報得られて無い。

情報収集能力の違いじゃの。


さて、2日あれば、ヤラショボ制圧出来るかの?

ヤラショボ取り込めたなら、規模的にマンバ王国を宣言出来るぞ!!

どうせ無謀に攻めて来た相手、容赦する必要はない!!



間者の報告から、ヤラシアショボンヌ合わせて一万の軍勢らしい。

進軍ヵ所はヤラシアとの領境。

馬車が1台通れる位の狭い山裾の道、マンバ領の平原まで出て来るのを待ってやるか。


迎えは準備万端整っておる。

軍上層部は全員、それに重鎮に高官全員、それから少し離れた場所に、テレス含む見学希望の住民多数!


今回はコロ達も見学させる、迎え討つのは、わし一人!

山姥時代に使えて居った、鬼火に氷雨、焼き尽くす鬼火に凍る氷雨。

こっちの世界じゃ威力が、桁違いに強力になって居った。

なまじっか、みかたが近くに居ると、使いようが無い位凶悪な攻撃になりおる。




「集まって来よったな!!」

続々とヤラショボ連合軍が現れ、隊列を組んでおる。

一万の軍勢は圧巻だ。隊列組むまで待ってやった甲斐があった。

「お前達は、ヤラシアショボンヌ連合軍で相違無いな?」

「貧相な幼女が偉そうにほざくな!!」

「カスメ領主が見えんが、何処ぞの影で震えて居るのか?即時降伏せよ!!!」

「貧相な幼女がここ、マンバ領の領主じゃ」「··········!!!」

「情報不足じゃな、カスメはわしが滅ぼした!!!」

「なら改めて問う、幼女、マンバとやら、今降伏すれば属国にしてやる」


「わしの民が期待して見ておる、不法侵略軍ども全滅はさせん!!」

「生き残った奴は、誰に喧嘩を売ったのか、恐怖して伝えろ!!!」

「鬼火特大!!!」

火焔ストームが左から右に吹き荒れた。

後方から歓声が上がっておる。

一瞬の出来事に、連合侵略軍は悲鳴を上げる猶予も無く燃え尽きた。

「あっちゃぁー特大は余計じゃった!!」

派手な見物にしようと、張り切り過ぎじゃ·····失敗したのう!!

生存者無し、ヤラシアショボンヌ兵は、燃え粕すら残って居なかった。


元広大な草原地帯、地表が超高温で焼け焦げテクタイト化し、無数にキラキラ輝く鏡の様な物は、ヤラショボ兵の装備、鎧や剣が高温で溶解され金属溜まりに成ったようだ。


派手な見世物を、期待して居た見物人達は、拍手喝采凄い盛り上がりようじゃ、一万の軍勢を跡形も無く葬り去った残酷な行為も、気にして居るのはわしだけのようじゃ。

もっとも完敗を報せる、ヤラショボ敗残兵が居ない事が、少し気になって居るだけで、領境の花火は、早期解決に最良だったと思っておる。




何だっ!!この凶悪な攻撃は!!!

御先祖様も、桁違いの無双だったそうだが、日本からの転生者とは、これ程凄まじい者だったのか!!!!!

凶悪な行為にも、不思議と恐怖心は沸かず、頼もしさと更なる忠誠心で一杯のタカダだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る