「雲神様」改稿のこと

わたし、最近全然書いてない!?


…と、ものすごく焦った日があったんですが、スケジュール帳を見たら、書かなかったのは一日だけでした。

わりと書いてた。


原稿を提出して、ご依頼いただいていた別の原稿と、確定申告を終わらせて、オフ期間がはじまったので、「雲神様」の文庫版の続きを書きました。

15万字を書いて、文庫本1冊分の量に達したので一度区切ることにして、連載再開のための準備をはじめています。

久しぶりで、すごく楽しいです。


完結まで、残り30万字で計画しています。

15万字ずつ区切りますが、テーマは共通なので、前編、後編みたいな構成になります。


仮タイトル(データのファイル名)が「pure&chess」なんですよ~っていうのは前からちょこちょこ書いていたんですが、チェスがコンセプトのひとつです。

現在公開している4話も頭にあったコンセプトは同じで、雄日子に、愛知から大阪までの一帯を盤としたチェスをしてほしかったんですけど、当時は全然そこまでたどり着けなくて。

じゃあ今ならできるかっていうと、方法をいくつか見つけはしたけど、実際に効果的に表現できるかっていうと、ものすごく難しいなぁ~と。

まぁでも、うまくできなくても絶対になにか残るので、失敗してもいいんです。

失敗を恐れず書けるのも趣味の創作ならではなので、やりたいようにやってみます。

せめて「なるほど、いわれてみれば、そんなふうにも見えるかもねー」と思ってもらえるような話になればいいな。


長編を書く時はかならず何かひとつ課題を設ける、というのをずっと続けています。(お仕事用以外は。そんな余裕ないので)

直近だと、「フジヤマ・ダイブ」でも初めての挑戦をいくつか盛り込んで、書き終えたあとのセルフ反省会で、失敗したかも…と自覚したのでした。

やってみた、できなかった、原因はこれ、に辿り着くだけでも実りだけど、しかも「フジヤマ・ダイブ」はコンテストで講評をいただけて、ばっちりそこを指摘されていて、あぁ、やっぱり…ってなったのでした。

自分の評とプロの編集者さんの評が同じだったのも自信に繋がったし、客観的に答え合わせができたことで、克服の仕方を思いついたりしたので、トライアル&エラーは本当に大事だなぁと思います。


チェスなので、駒や盤をどう表現しようかといろいろ考えるんですが、キャラに当てはめたりして遊んでいます。

雄日子はキングだよなぁ。

勝敗を左右するけど、アイツは1マスずつしか動けないしね、とか。

自由自在に動けて前衛的なクイーンは荒籠かなぁ、とか。

セイレンは、無理やり当てはめるならナイトだけど、もうちょっと変な動きをしそうだなぁ、とか。

自作のキャラでこういう遊びをするのも、創作の楽しみだよなぁ~と。

楽しいのは自分だけだけど、面白いんですよね(笑)


そもそも小説って、読者対作者のチェスや将棋のようなもので、しかも、先手は必ず作者で、作者が勝たなきゃ面白いって思ってもらえないもの、だと思っています。

本になると、そのための棋譜は先に印刷されちゃうので、自分がちゃんと勝って、面白いと思ってもらえるためには、事前にしっかり筋を読んで書いていくしかない、みたいな。

……ということが、商業出版に関わってからずっと頭にあったので、WEBの気楽さにすごく癒されています。

印刷されないので、「あっ!」と思った後でも修正がきくので安心(笑

(ん?と思ったので考え直してみた。別に作者が勝たなくてもいいですね。読者さんが勝って楽しもうが負けて楽しもうが、レールを敷くのが作者っていう意味です)


しばらく緊張して書いてきたので、純粋に創作を楽しんでいます。

一緒にまた誰かに楽しんでいただけるといいな。


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