仕分け、理詰め、舞台設営的な作業のこと

新しい物語を書き始めたんですが、すごく苦しくて、「もう駄目だ…こんなに難しい話が書けるのかよ…」と絶望しながら書いていました。

ひとまず下書きを終えてエンディングにたどりつくことができた途端、めちゃくちゃ楽になりました。


あんまりにも苦しかったので、原因を考えました。

きっと、お話が未分化の状態だったからでしょうね。

書きながら「こうもいける、この展開もいける」と各シーンごとに何パターンも想像しながら書いていたせいで、1億パターンくらいの選択肢が脳内にあって混乱したのだと思います。

一旦物語を閉じて、使わなかった選択肢を2軍箱に捨てられたので、コントロールする情報が1000くらいまで減った感覚でいます。そりゃ楽だ。



情報を1軍と2軍に分け終わると、次は仲間分けをして整理する作業です。

同類項とか最小公倍数を見つける感覚で、情報をまとめて減らしていきます。

AとBという情報があって、A+B=Cだとしたら、Cに書き換えます。

その後に新たな情報を追加して、また減らす、追加してまた減らす…と、作業を繰り返します。

C+D=Eなら、さらにEと書き換えて絞っていくような。

「理詰め」と自分では呼んでるんですが、理解するための方法なんだと思います。

難しく書いてしまう時って、自分が理解できていない時なので。

不純物が消えていくので、きれいになります。



最終的には、情報が飴細工みたいに感じるようになります。

両手で伸ばしたり、まるめたり、着色したりして、好みの形を作っていきます。

そこまで来ると、わたしの中の感性担当の人が出てきて仕上げてくれるんですが、前段階にあたる今は、そのための準備をしているところです。

感性担当のわたしは「明日のことなんか一切考えないで今日のステージを死ぬ気で踊るダンサー」風のちょっとイカれたタイプです。

表現に全振りして踊るダンサーのためにステージは堅固にしておかなくちゃいけないよね、と、今は大道具や美術のスタッフになっているつもりで、安全第一の作業しています。



こんな感じで、初稿はだいたい3周1セットで書きます。

1周目が仕分け、2周目が理詰め、3周目は本番。

理想の形を一発で書ければいいんだけど、失敗するのも怖いので、お仕事が関わると全部この方法で書いています。

(こういうのを全部やめて心のままに書いてるのが「鏡餅子」。解放感が凄まじい)


2周目の終わりが見えたので息抜きがてら書きにきたんですが、何回計算しても進捗がギリギリです。作業に戻らねば。

でも、何度も繰り返すと、いつもの作業のどのあたりにいるっていうのがわかっていくのでホッとしますね。

経験値だなぁと思います。成長していればいいな。

詳しい情報もお伝えできればと思うんですけど、もう少し先ですかね…しょぼん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る