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ここはもう、可憐ちゃんに聞くしかないでしょ。


「可憐ちゃん、お菓子作ったことある?ケーキとか。」

「ありますよ。」


おずおずと聞く私に可憐ちゃんは事も無げに返事をする。

やっぱり可憐ちゃんは作ったことあるんだ。

さすが女子。


「あのさ、教えてほしいんだ。ケーキの作り方。」

「いいですけど、私でいいんですか?」

「うん、私全然作ったことなくて。」


キョトンとしながら可憐ちゃんが聞く。


「何で作ろうと思ったんですか?」

「えっと…優くんが食べたいって。」


私の返事に、可憐ちゃんはガタッと立ち上がり、両手を頬に当てながらうるうるな瞳で叫んだ。


「真知さん、乙女すぎる!キャー!」

「しー!しー!可憐ちゃん落ち着いて!」


仕事中なのも忘れて二人でキャアキャアやっていると、奥の方で課長の咳払いが聞こえた。


…すみません。

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