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「俺、別に物はいらないや。真知の手作りケーキがいい。」

「手作りケーキ…ね。」


私はひきつった笑みを浮かべた。


ぶっちゃけ、料理は苦手だ。

一人暮らしだから自炊しなくもないけど、レパートリーなんてほとんどない状態。

しかも、お菓子作りなんて全然やったことがない。


だけど、作ってあげたいなんて思ってしまった。

優くんが、「真知の手作りケーキがいい」なんて言うから。

優くんのために、頑張ろうかな、なんて。


正直、この気持ちの変化に戸惑っている。


「頑張ってみる。」


私の返事に、優くんは子供みたいに手をあげて「やったー!」なんて大げさに喜んだ。

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