こじらせ警報発令中です。
14
陽も落ちてきてお開きとなった。
最寄り駅まで可憐ちゃんと宗田くん、小田くんと一緒だ。
公園を出てもあちらこちらに桜が咲いていて、駅までの道すがら夜桜を楽しんだ。
小田くんは相変わらず可憐ちゃん狙いなのか、終始絡みまくっている。
可憐ちゃんも嫌だったら断ればいいのに、調子よく合わせている。
もしかして嫌じゃないのかな?
手持ちぶさたな私は、宗田くんと並んで歩く。
さりげなく宗田くんが車道側に来てくれる。
別に何も言わないけれど、そういう気遣いは心臓に悪い。
守られてる感があって、きゅんとしてしまう。
そんなことを考えてしまう自分が何だか恥ずかしくて、私は桜を見上げながら当たり障りのない会話をする。
「桜綺麗だね。夜桜も素敵。」
「桜も綺麗だけど、仁科も綺麗だよ。」
突然熱っぽい視線を向けられ、私は仰け反るくらい動揺した。
「なっ、えっ、あ、ありがとう。」
「うん。」
私の動揺なんてお構いなしな宗田くんは、おもむろに手を繋いできた。
あったかい大きな手に包まれて、いやいやダメだろ、なんて頭では思っているのに拒めない。
可憐ちゃんと小田くんは私たちの前を歩いているから、気付いていないようだ。
心臓がドキドキと激しく打つけれど、これはときめいてドキドキしているのか、バレないかひやひやしてのドキドキなのか、判断がつかなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます