06

行きたくなくてどうしようもなかったけど、バックレたら可憐ちゃんにも宗田くんにも悪い気がして、私は重い足取りでお花見をするという公園へ向かった。


「真知さーん。」


公園の入口で可憐ちゃんが私に向かって手を振ってくる。

カジュアルなのにレースやリボンをさりげなく取り入れているあたり、可憐ちゃんの女子力を感じる。


「いつもながら可愛いね。」


エロ親父みたいな私の発言にすら、可憐ちゃんは頬をうっすらピンクに染める。


「真知さんこそ、素敵です。」


デニムのパンツにTシャツとカーディガンな雑なコーディネートに「素敵」とか言えちゃうあたり、可憐ちゃんは人間もよくできている。


「場所どこ?」

「人が多すぎて見つけ出せないです。」


可憐ちゃんと二人キョロキョロしていると、「仁科ぁー」と遠くから私を呼ぶ声が聞こえる。

そちらを見やれば、宗田くんが手を振っていた。

大きなブルーシートが敷かれていて、設計課のメンバーがすでに座ってわいわい盛り上がっている。

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