お人好しおせっかい節

お人好しおせっかい節


 僕が愛している人達に、僕は人一倍おせっかいをしてしまう。「大丈夫かな、心配だな」って。要らぬ不要な考え事。


 もはやそれは迷惑ごとに近く。


 この人の暗い部屋を少しでも照らせたら、なんておせっかいを一つ、二つ。

 天邪鬼でどうしようもない僕のこころはいつだってそんなことしか考えていない。

 

 久しぶりにあったあの日の悩める君が、今は元気いっぱいに笑っているのをみて、「あぁ、とうとう僕は不要な人になったんだな」って思ったりなんかして。ちょっぴり寂しいけど、僕と別れて少しずつ元気に頑張ってる君は、ルビーみたいに優しく穏やかな赤い光を放つ君で。

 それなら僕がお人好しで、おせっかいであった意味があったんだなって思う。


 もう、君の生活に一ミリも僕が不要になった時に、僕は青く青く優しい光になれる。だからばいばい、もう僕なんかはいらないねって。というより、そもそも僕との時間なんて不要だったね、よかったなって。


 君が今笑えて楽しく暮らしているならそれだけで、満足で。穏やかな風が君の頬を撫でるように、その風は優しく何処かへ消えていく。


 僕のことなんて忘れてしまっていいから、そのままでそのまま君は幸せになってしまえーなんて思ったりして。


 悲しくなったらまたおいで。幸せなら僕のことは探さないでおくれ。

 そんな吹き抜ける風のように小さく君の日々の歓びをねがう。


 もはやそれは迷惑ごとに近く。

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