覗き穴

行木 果実

「穴」

この世には穴という穴が存在している。

耳の穴・鼻の穴・毛穴・へその穴・法律の穴・壁の穴・穴あき問題の穴・オゾンホールなど様々な穴が存在している。

そしてこの街にも大空に穴があいた、決してオーストラリアのオゾンホールのようなものではなくて直に穴があいているのだ。その穴では巨大な目や指、風など様々なものが入ってくる、我々が穴を見た時にやりたくなることだ。


そんな生活もはや2年この街の住人たちは既に慣れていた、街を行き交う人達は空模様の確認をするとかのようにその穴をちらっと見る程度に、それほどに飽いていた穴だか今日はやけにその穴が狭まったような気がした。それ自体はいいことなのだが、明らかに修復されたところの空が周りの空とは違うわけだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る