第22話 レベルアップの仕組み
「そりゃあ
翌日の朝。【アスギー】のユニオンホーム、その応接室にてソファに座り、ユキトは対面のガゼと話していた。
この部屋だけで【クララ・クルル】のユニオンホームの大部屋の二倍近くはある広さの応接室は、空になった酒瓶が大量に転がっていた。
この応接室だけではない。玄関からここに来る途中の廊下も、空の酒瓶だらけとなっていた。
【アスギー】のメンバーは全員酒好きで、そして全員が掃除嫌いなのであった。故に外の庭が雑草だらけとなっていたのだ。
他の部屋も似たような状態になっていることを、暫くの間ここで世話になっていたユキトは知っていた。
世話になるお礼にと、ユキトがせっせと掃除したはずなのに、暫くぶりに来てみれば、あっという間にユキトが掃除する前の状態に戻っているではないか。
これでは折角の広くて美しかったはずのユニオンホームが台無しだった。
「片づけないんですか?」とユキトが訊いてもガゼは、いや【アスギー】のユニオンメンバー全員が、「そのうちな」しか言わないのであった。
ユキトから星の雫の効果を聞いたガゼが、驚きの声を漏らす。
「低濃度の
「おれ今まであんまり気にしてなかったんですけど、レベルアップの仕組みってどうなってるんですか?」
「がっはっはっは! 冒険者をやってるほとんどの奴が、より強い相手を倒せばより多くの経験値を貰える、ってことぐれえしか知らねえからな。お前が知らねえのも無理はねえよ。まず、経験値を得るってことだが、
ユキトはソファに座ったまま、頭を下げた。
「ありがとうございます。おれが知らなかったことだらけでした」
ガゼが腕を組み、首を捻る。
「けどおかしんだよなあ。
「おれがレベルフルカンストしたから、体が
「それはねえと思うぜ。おれはレベルカンストしてるが、レベルフルカンストしてるわけじゃねえから、絶対とは言えねえんだが。おれが
「もしガゼさんの言う通りだったとしたら、昨夜おれとクララが視た現象の説明がつかないってことですよね」
ガゼが首肯する。
「追いかけてみたらどうだ?」
「
「ああ。なにかわかるかもしれねえぜ」
これ以上のことは、ここでガゼと話していてもわからない。
ユキトはもう一度ガゼに礼を言うと、【アスギー】のユニオンホームを後にした。
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