第13話 模倣と成長
療育センターで検査をする時のこと。
検査の部屋には検査を実施してくれる先生が1人と息子のみで、私達はマジックミラー越しに部屋の息子の様子が見えるようになってる場所へ移動させられた。
先生と息子は向き合うように座り、先生が色々なおもちゃや楽器を1つずつ出しては何やら息子にするよう促していた。
会話は聞こえないが、先生が楽器を持ってマネをするように息子に話しかけているようだった。
息子は全く興味を示さず他のおもちゃで遊んだり、マネではなく自己流で楽器を鳴らして遊んだりしていた。
ガラス越しに、終始見えた息子の姿は まるで先生が居ないかのように自分の興味を持った物でずーっと遊んでいた。
その検査が終わって、その検査士の人に言われたことは……
子どもというのは、周りの人のマネをしながら成長していくのですが……子どもさんの場合、全く私の言うことやする事に興味を示さずマネをしようともしなかったので これ以上成長するかというのはちょっと…マネをしないというのは…難しいですね……
マネが出来ないようなら……
そんな感じのことを言われた記憶がある。
じゃあ この子はこれ以上成長できる見込みがないということ??
確かに普段から人の振りを真似ること、誰かと一緒に遊ぶことを楽しむ…いうことはほとんどしなくて、ひとり遊びでずっと時間を過ごすことが多い。
でもこれ以上成長できないと 今の段階で言われては なんの希望も持てない。。
後から冷静に考えると、そんな事あるわけなく…これはその人個人の考え方だったんだろうと思う。
成長できない人間なんていない。
告知されたばかりの親に言ってはいけないことをあの検査士さんは言ってたんだと思った。
人より少しゆっくりかもしれないが、必ず成長していけるのに。。
でもあの頃の私は、どんな言葉もまともにくらって 、その都度 大きなダメージを負っていた感じだった。
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