第11話 初めての子ども療育センター
当時、自分の住んでいる地域には発達障害の子を診てくれる専門の病院がなかったので、JRで約30分ほどかかる市内の子供療育センターへ紹介状を持って受診した。
約2ヶ月待ちでやっとだった。
早くはっきりしたことが知りたい気持ちと怖い気持ちと不安とで胸がいっぱいだった。
でもまだ心のどこかに、ちゃんと調べれば「お母さんの思い過ごしだった」という言葉が聞けるんじゃないかな…
もしかして、少し発達が遅めなだけとか……
そんな期待も実のところあったりもした。
主人も一緒に療育センターに行ってくれて、先生と会った。
女性の先生だった。
私たちから今までの事を詳しく問診し、その間の看護士さん達と子どもの遊ぶ様子もチェックをされ…
その他、いくつかの専門的な検査をすることになった。
結果……
診断名は ほぼ変わらなかった。
そして、自閉症だけでなく知的発達にも遅れがみられると言われた。半年ほど知的には遅れていると……。
「知的遅延を伴う自閉症傾向」
3歳くらいまでは発達のばらつきはあるので、はっきりと今の年齢で断定的な診断名は付けられないそうだ。
でも、ほぼそういうことだった。
約3ヶ月後に始まる予定の療育教室に誘われた。
センター内で行われている発達支援教室で、半年がワンクールの親子の療育教室。
療育が何だかまだ何も知らなかったが、この子が少しでも良い方へ成長していけるなら 何でもしたいと思った。
だけどその頃はちょうど3番目の子が臨月に入る頃。。
親子での参加が無理ということで、その次の半年後に始まる教室に参加出来るよう段取りすることになった。
「まずは無事元気に赤ちゃんを産んで下さい」
と先生に言われた。
この子の支援が半年遅くなってしまう…
仕方ない。
よく後から後から他のお母さん達と話題になった告知の瞬間の事。。
目の前が真っ暗になった…
涙が止まらなかった…
帰りの車を運転しながらこのまま海に突っ込もうかと思った…
ビルから一緒に死のうと思った…
みんなそれぞれの苦しみがある。
私はというと…
ショックな気持ちと、療育という支援の方法が世の中にはあるんだ……という安堵感と……
3番目の子を産み、赤ちゃんと息子との子育ての両立ができるのか…まして長男もいる。
そんな事を考えていたら「死ぬ」選択肢ではなく、どうやって生き抜こう……自分はちゃんと子育てできるのかな…という途方に暮れた感覚だったかもしれない。。
でも、この時やっと「自閉症」という障害を持って生まれた子を育てていくことになるんだと本格的な覚悟をした。
少しでも良くする。何でもする!
でも…1番大事なのは 次男だけではなく、3人の子の母であることを忘れてはいけないことだ!
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