ストライク・ギア -部活動系ロボバトル始めます!-

@mirk

第1話 部活動始めました。

ストライクギア―――と言われる物がある。

全長7~8cm程のロボット玩具として認知されている。

一見すると何の変哲もない玩具だが、専用アプリと連動させることで

これはその真価を発現する事が出来る。

連動後、そのアプリを通じて脳波とリンク。

その結果、ギアを自分の思いのままに動かせるようになるのだ。

イメージを忠実にラグ無く動かす事が出来るため、このストライクギアは今や世界的に大人気の玩具なのである。

様々な国や媒体でこの玩具が取り上げられ、競技的な大会も開かれる様にまでなった。




これはそんな世界の話。





高校一年の秋。

六限が自習となり平時より少々にぎやかな教室で俺、南雲晴斗は大いに悩んでいた。


「何だ晴斗、ま一た部活動について悩んでたのか?」


前の席から、友人の幸也が話しかけてくる。

このやり取りが 春から数えて何度目なのだろうと考えかけたが時の流れを自覚したくなかったので止めておいた。


「そーだよ、結局決まらないでもうこんな時期になっちまったよ。」


うちの高校に部活動が強制と言う規則が有る訳では無い。

だがせっかく人生一回きりの高校生活である、何かに思い切り打ち込みたいという気持ちが入学当初からあったのだ。

だが、現実はそう上手くいかないモノで俺はその打ち込める対象を二学期の中盤である今まで決められずにいた。


「やっぱりさ、俺と一緒にバスケ部に来いって。

 小中と九年やってたんだろ?今から入っても余裕だって。」


こいつからの勧誘も最早お約束の領域だ。

まあ、バスケ部への勧誘は幸也に限った事では無いのだが。

他クラスの同級生から上級生に至るまでおおよそバスケ部員とバレー部員には一通り声をかけてもらった。

理由も至極単純であり、俺の身長に目を付けたからって事だった。


「お前を筆頭にバスケ部の人達からの誘いはうれしいんだけどさ、

 それこそ身長が高いってだけで初めたから心から好きって訳じゃないんだな。」


「ほんと、聞く奴が聞いたら喧嘩になる様な事さらっと言いやがって。」


そりゃ、一年でただ一人レギュラーの座を獲得しているお前にだから言うのだ。

と言おうとしたが、調子に乗りそうだったのでやめておいた。

そうこうしている内にチャイムが鳴る。

自習だったという事もあり、気の早い奴は既に部活着となっていた。


「じゃあ、俺は部活に行ってくるぜ。気が向いたらいつでも見学とか来てくれよな。」


眼前のコイツもその一人であり、既に部活へと走り出していた。

ドタバタと部活仲間と教室を出て行く姿はいつ見ても楽しそうで羨ましく映った。


「じゃあ俺、部活行ってくるわ。気が向いたら見学でもいいから来てくれよな。」


と言い残し、部活仲間とドタバタと騒がしく教室から出ていった。


「さて、俺はもう少し考えてみるか。」


一日の終わり告げるチャイムが鳴った事で、あれほど騒がしかった教室が静寂に包まれる。

その空間はいつも以上に俺を思考の渦へ落としてしまい、今日はいつもより遅くに帰る事となった。


「あ、通行止めだ。」


いつもより遅い時間だからか、作業中の為通行禁止との看板が置いてあった。


「めんどくさいけど遠回りするとしますか。」


秋口という事もあってか、少々暗い階段を下りて校門から一番遠い校舎の1階にたどり着く。

普段は来ない場所だけに、どんな用途で使われているか分からない教室が並んでいた。

結構不気味だな、なんて思っていた。


その時―――金属がぶっかりあった様な激しい音が廊下に響き渡った。


のんきにしていた頭に一瞬で警告音を鳴らすような衝撃音。

とっさに発生源を探すために辺りを見回し、見つける。

教室が並んだ廊下の一番奥、 よく見るとうっすら光がともっている。


「あ、あそこからさっきの音が出たのか?」


それは単純で原始的な好奇心だった。

先程の音には少しばかり驚いたが、

心を止めることは出来ず俺はその牧室へ向かって進行方向を変えた。




          ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




高校一年の秋に私、壮馬凛子は大いに悩んでいた。

春一番に新入生の身でありながらストライクギアの部話を立ち上げたは良いものの、2学期の今になっても部員が増えていないのだ。

そのため、まだ正式な部活ではなく同好会と言う方が正しいのかもしれない。

正式に部活になる条件は、私含め部員数は2人で良いうえに顧間もいらないというベリーイージーな条件を出してもらっているのに達成が出来るかは非常に怪しい。


「戦うってのが嫌なのか、それとも玩具だからなのか・・・」


もちろん部員を増やすために同級生を誘ってみた事は有る。

だが、反応が良かったのは最初だけであった。

いざ競技ルールに乗っ取って戦わせたみた時に誰かが呟く。


「えっ、こんなに激しく壊れるの・・・これ。」


その言葉を聞き、辺りを見回すと明らかに全員引いていた。

その後誘った全員が申し訳なさそうに帰って行ったのを見て明日からボッチかもしれないな、なんて思っていた。

唯一良かったのはその考えが外れて、彼女らが今も友人として付き合ってくれている点だけだった。


「勢いよく腕とかちぎれ飛ぶのがダメだった様ね。」


その件に関して言えば、確かにストライクギアの戦闘は激しめである。

更に言えば 2.5頭身程の見た目からは想像し難いのも理解できる。


「参ったなあ、一人くらい食いつくと思ってたんだけど。・・」


正直なところ女子陣に受けが悪そうなのは分かっていた事だった。

ロボで対戦で男の人が多いジャンルとなると、食いつく方が珍しい。

なので、本命は2人ほどついてきた男子だったのだが、どうにもロボ系統に興味が無い様で女性陣と同じリアクションだった。


「動かしてみるとみんな楽しいっていうのは間違いないんだけど。」


そうボヤキながら、自分のギアを起動し、練習用の的に向かって武器を振るう。

やはり、何度見てもその戦う姿は美しいと感じる。

だからこそ、ギアと共に強くなりたいより高いところを目指したいのだが

如何せん私の戦い方には華やかさと言う物が無い為、初見で理解を得るのは難しかった。


「誰か入ってくれないかしら。」


最後の的の耐久値をフルパワーで叩き潰し、私はギアとのリンクを解除する。

結構な大きさの金属音が鳴り響いたが、まあこんな校舎の端つこにある教室など誰も近づいたりしないだろう。


「さて、片付けして帰りましょうか。」


そう呟いて立ち上がった時、教室の扉前に誰かいる事に気が付いた。


「えっ|?」




          ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





音源であろうと思い、入った教室で俺の足は止まった。

一人の女の子が、ストライクギアを使って的状のオブジェクトを叩き潰していたのだ。

5~ 6個ほどあるその的を彼女はいとも簡単に叩き壊す。


「へえ―、昔とは違ってずいぶん動き回れるんだな。」


俺の中でストライクギアはよちよち歩きか少しジャンプする程度の記憶しかない。

攻撃の様な動作も一応できたが、安物エアガン以下の様な物だったと思う。

久しぶりに見た子供の頃の玩具の進化は俺の童心を蘇らせるには十分すぎた。

ワクワクしながら見惚れている間にも的は次々と壊され、残るは最後の1つとなっていた。


「っ! |」


最後に放たれた一撃を俺は日で追う事が出来なかった。

気が付いたら的がはじけ飛んでいた様にしか見えなかったのだ。


「すげえ・・・一体何が起きたんだ。」


呆けていると、帰り支度を終えたであろう彼女と目が合った。

しまったと思ったの時には既に彼女の目は見開かれていた。


「えっ|?」


と、完全に不審者を見る日である。


「あ、え―っと廊下歩いてたらさすごい大きな音が聞こえてきてそれで・・・」


しどろもどろとはこの様な事を言うのだろうな、なんて頭の中は既に現実から挑避していた。


「貴方もしかして・・・入部希望者!?」


だが帰ってきた返事は、そんな俺の被害妄想を粉微塵にするほど予想から外れたものだった。


「入部・・? いや、そう言う訳じゃないが。」


目を輝かせて入部を問われたが、そもそもここが部室だと認識していなかった。

察するに春先に話題になった新入生一人だけの仮部活がここなんだろう。


「そう、早合点して申し訳なかったわね。

 こんな教室に自分から来るなんて絶対入部希望者だと思ったから。」


残念そうに謝罪をされた。

確かに、こんな人通りの少ない教室に来るなんて何か用事があると思うのが普通か。


「ちょっと気晴らしに校舎を歩いてたんだ。

 誤解させてしまってこっちこそ悪かった。」


「そんな、貴方が謝る事じゃないわ。

 私が勝手に期待しただけだもの。」


これ以上は謝罪合戦になってしまうと思い、話題を変えてみることにする.


「ところで、さっきのはストライクギア・・。だよな?」


あの動きはどうやったらできるのか気になった俺は、どうやるのか尋ねてみた。

もしかしたら、家に眠ってる昔の奴で出来るかもしれないと思っていたからだ。


「ええ。正式には競技用のストライクギアね。」


競技用か。

そういえば最近国際的な大会とかも開かれてるんだっけ。

体感型Eスポーツとか訳の分からない名目を付けられていた気がする。


「ずいぶんとカッコ良くなったもんだ。

 俺が小さかったころ触ってたのとは大違いだよ。」


彼女の手に握られているギアはとても重装甲に見えた。

これだけ重そうなのにあれほど機敏に動けるとは、改めて技術の進化を感じる。


「ここ4~5年で一気に進化したのよね、昔のずんぐりとしたフォルムも好きだけれども今の細身になったのもカッコいいと思うわ。」


「お、おう。そうだな。」


急にテンションが上がったのか饒舌になるのでびっくりする。

好きなジャンルの話になると早口になるタイプなんだろうなと思った。


「どうかしら、時間が有るのでしたら少し動かししてもいいわよ。」


「え、いいんすか!?」


正直言うと俺からお願いしようか悩んでいたのだ。

ちょっと図々しい気がして言い出せなかったのだが、あちら側から言ってもらえるとは有り難い限りである。


「ええ。まだスタジアムの電源を切っていないので、構わないわ。」


言うが早いが俺はスタジアムに向けて手を引かれていた。

彼女の私物であろう、シンプルな造形なギアを手渡され二人して台を挟んで向かい合う。


「えっと、これは置くだけで動くのか?」


「あっ、ごめんなさい。

 競技用のアプリをスマホにダウンロードさえしてもらえれば動かせるようになると思うのだけれども。」


スマホでも動かせるんだなと時代の進歩に感動しつつ、ソフトをインストールする。


「とりあえず、ユーザー登録なしのゲストで始めて大丈夫よ。」


言われるがまま操作をし、画面にリンク完了とメッセージが出る。


「OKだ。今リンクも確認したからこれで動かせると思う。」


「では、早速始めましょうか。」


お互いがにギアをセットする。

そこからスタジアムとギアが繋がり、そのギアとリンクしたデバイスが使用者の脳波を拾って動かすのだ。


「それじゃ、軽く動かすところからね。」


実に10年ぶりのストライクギアという事もあり、最初はまず基本起動からとなった。

始める前は内心余裕ぶってた俺だが起動直後は全く駄目だった。

昔は無かったブースト移動など問題外で、まず歩くところからのスタートである。


「こんなに、姿勢制御シビアなのなコレ。」


それでも30分ほど集中して動かせば何とかなり、喋りながら移動できるレベルには到達した。

脳波で操る以上慣れていないと喋りながらというのは難しい様だ。


「正直、これほど呑み込みが良いと話思わなかったわ。

 ちょっと実践形式で動かしてもいいかしら?」


「お、そろそろ基礎起動だけじゃ飽きてきたところだ。望むところだぜ。」


「では、空中でのブースト移動は無し地上移動とジャンプのみとします。

これで、私が空から一方的に攻撃して終わりとはならないでしょう。」


どうやら、同条件で戦ってくれるようだった。

機体も同じ物を使っている以上純粋に使用者の腕が出るってことか。


「武装は右がアタックジェネレーター、左がガードジェネレーター、背中がツインボムでいきます。」


「ああ、それでOKだ。」


ストライクギアには3か所武器を設置できる。

設置場所は左右の腕と背中だ。背中はブースターがある以上あまり精密な作りの武装は付けられない。

今回、俺たちが使うのは右がビーム状の剣の生成及び光弾を射出可能なアタックジェネレーター。

左は光のシールドになるガードジェネレーター、そして背中は二つのミサイルを打ち出せるツインボム。

恐らくデフォルト装備って言われるやつだろう。

本来はここからどのように武装を切り替えるかが勝敗の分け目なのだろうと思う。


「では、3カウントの後開始します。」


後は、ギアごとに設定されているEP(エネルギーポイント)をゼロにするまで攻撃を行うというのがルールだ。

お互いスタート位置に戻り、武装を出現させる。


3


2


1


「「開始!!」」


カウントが終了すると同時に俺は前方へ直進する。

ついさっきまで歩くこともままらなかった事を考えれば中々のセンスではないかなと自分で思う。


「何処から仕掛けてくる気だ・・・」


部隊のフィールドは練習用という事もあり、平地で遮蔽オブジェクトの少ないシンプルなつくりとなっている。

そのため、隠れて奇襲と言って行動は難しくどうしても真正面からの戦闘にならざる得ない。


「っと、来たな!」


視界の右端から2つの物体が上方向へ射出されるのを確認した。


「それだと場所教えてるだけだぜ。」


射出ポイントに向かって、方向を転換する。

フィールドでの対角線上から始まったと考えると、ほぼ開始点から射出されたように見える。

練習で的を砕いたときには結構前に出て戦うと思ったが勘違いだったのだろうか。

ポイントに向かい、直進しながらそんなことを考え―――――


「はあっ!」


その刹那、鋭い声が教室に響き渡る。


「うおっ!?」


突如として物陰から飛び出してきた彼女の機体が勢いそのままに俺機の左肘から先を切り飛ばす。

唖然とする俺を残し、視認範囲から消える。


「よく体を捻りましたね。本来なら首を狙っていたのですけど。」


まるで、先ほどの攻撃は大したことじゃないというような顔である。


「昔から反射神経はよくてね。あと少しで躱せたんだけどな。」


強がってはみたものの、実際とんでもない動きだった。

最小限の動きで確実に仕留める、暗殺者かと言いたくなる。


「だったら次で決めるわ。」


彼女も俺が強がりを言ってることはわかってるだろうから先程と同じ、突撃からの切り飛ばしだろうをして来るに違いない。

むしろ、そうで有って貰わらなければ困る。


「ふっ!!」


再び視認範囲に現れたかと思ったら、急接近してくる。

どうやら読み通りの動きをしてくれるらしい。

ご丁寧に剣筋まで同じ横一線ときたものだ。


「二度も同じのくらうかっ!」


残った右手で同じく剣を形成し斬撃の受け止めに成功する。

その衝突により激しい光が生まれた。


「驚いたわ。一回見ただけで受け止めるなんて貴方才能あるわよ。」


「俺はアンタの殺意の高さに驚いてるけどな!」


鍔迫り合いを振り払い、バックステップで距離を取りながら、光弾をばらまく。

当てる気は無く、あくまで牽制と距離を取るための手段のつもりだった。


「なぁっ!?」


だが、彼女はそれを左のシールドで受け止めながら突っ込んでくる。

あくまでシールドの役割はダメージ軽減であり、無効化ではない。


「距離何て取らせませんよ。」


俺との距離を縮めたその瞬間、機体が横にずれる。

武装のない左側、対応のできない位置から攻める気なのだろう。

しかも構えからして突き攻撃である事は間違いない。

流石に躱せる気がしない為、受け止めたいが突きの受け止めが出来るほどの技量はない。

かといって直撃すれば負けは確定だ。


「うおおおっ!」


一か八か、足裏のブーストを左右別々のタイミングで吹かせて空中に飛び無理やり機体を捻る。

高跳びのベリーロールを空中でもう何回転かさせる様な、無茶な動きだ。

武装的に死角を攻撃されている以上、かわすための挙動がこの様な無理やりなものになる。

その結果、機体に負荷をかけEPが減少してしまった。


「ぐあっ!|」


避けたはずだつたが、着地した瞬間衝撃が襲う。

俺のギアに彼女の生成した光剣が深々と突き刺さっていた。


「あの突きを躱されたのは正直驚きました。

 でも、ちょっと滞空時間が長かったですね。着地も隙だらけでした。」


ちょっと手厳し過ぎる気もするが、まあ貶している訳では無いので甘んじて受け止めることにする。

そのすぐ後、バトル終了の音が鳴り俺達はギアとのリンクを解除した。

集中していた意識が現実に戻り、彼女と再び対面する。

心なしか始める前よりうれしそうな顔をしていると思う。


「ありがとう、すごい楽しかった。

 君が強かったってのもあるだろうけど久しぶりに心からワクワクしたよ。」


「いいえ、こちらこそよ。

 初めて動かしたとは思えない腕前で張り合いがありました。」


彼女ほどの腕前の人からそういわれると結構うれしかった。


「そういえば大会があるって言ってたけど、今の俺って通用する?」


どのくらいのレベルなのかが素直に気なったので聞いてみる。

まあ、初心者だから全然通用しないだろうとは思うが。


「結構いいところまでいけるんじゃないでしょうか。

 競技人数的にも、熱意的にもあれほど集中してリンクできる人って中々見ないですから。」


だが、帰ってきたのは意外な返答だった。


「元々が子供向け玩具からですので、真剣にする人って少ないんですよ。

 根本的に自分とギアをどこまで一体化できるかというのが強さに直結しますので、

そこを疎かにするとは動きに差が出過ぎてしまうんです。」


それが悪いって事じゃ無いんですけど、と付け足したが大会の場でそれは相手に失礼だろうとは思わないでもない。

国際的競技である以上胸を張って全力で楽しめばいいと思うだが、そういう皆が単純な訳でもないのだろう。


「え―っとそれはそうと・・あの・・・」


話しかけてくれている様だが、だいぶ歯切れが悪い。

彼女の特徴として戦闘中やストライクギアの話になると途端にハキハキしだすのだが、それ以外はこれ位がデフォルトなのだろう。


「何を遠慮してるか分からないけど、結構お世話になったしそんなに遠慮せず何でも言ってくれて構わないぜ。」


一先ず、こう言っておけば安心だろう。

下校時間が迫っている以上、ここでモタモタするわけにはいかなかった。

正直なところ俺も入部についての話をしたかったのだ。


「にゅ、入部をしていただけないかしらって・・・」


どうやら考えてることは同じだったみたいで思わず笑ってしまう。

流石にここまで食いついておいて入らないつてのは中々無いと思うのだが、心配性なのだろう。


「俺も同じこと言おうとしてたよ。

 入部届、明日書いてくるから受け取ってもらえるかな部長さん。」


「ホント!?やったわっ!!」

 

部員が増えて感極まったのか、いきなり飛びつかれたのにはかなリビックリした。


「これからよろしく、え―っと。・・」


「はい、宜しくお願いします!えっと・・・」


そして、最終下校時刻のチャイムが鳴る直前、お互い名前を知らない事に気づいたのだった。

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