第3話 最終回なんて死んでも御免です
~ここまでのあらすじ~
王様主催の『一発芸大会』で野球もセガールも知らない異世界民を前に『初めてゲッツーを取ったスティーブン・セガール』の真似をしたら、地獄のようにスベった挙げ句に死刑を言い渡された姉さん。
俺と箱の機転でその場を救うが、姉さんは何故あんなにスベったのか納得行かないようで、モノマネを極める旅に出てしまった。
時を同じくして魔王軍は全ての軍勢を姉さんに向ける方針を決め、1つ目の『ギガント』以外のオーブを持った邪神6体が次々と姉さんに押し寄せていった。
そんな邪神達の末路を紹介していこう。
ーーーー2枚目の『ハンサム』
爽やかイケメンの邪神で、姉さんも毒牙にかけるつもりだったようだが、未公開株を巡る詐欺事件で魔王に愛想を尽かされ、現在はどこかでアルバイトをしているとか。
後に姉さんが撲殺。
ーーーー3枚刃の『カミソリ』
元は2枚刃の貧弱邪神だったらしいが、魔王の慈悲で3枚刃になったことで凶悪性が増し、ここぞとばかりに姉さんに襲いかかる。
が、3枚刃の特徴は刃1枚あたりの肌への圧力が分散することだったので、結果、以前より弱くなっていた自分にショックを受け失踪。
後に姉さんが撲殺。
ーーーー4天王の『サイジャク』
弱かった。とにかく弱かった。
咳をしただけで肋骨にヒビが入るような奴だった。軽度の骨粗鬆症も患っており、可哀想だったので、俺達の世界の病院に連れて行ったら一発で治ったらしく滅茶苦茶感謝された。
後に姉さんが撲殺。
ーーーー5本指の『ソックス』
蒸れないが特徴の邪神で、蒸し風呂のような場所で対決となったが、薬指の部分に小指が一緒に入り窒息しているところを何故か俺とリュカが救出し、事なきを得た。
後に姉さんが撲殺。
ーーーー6親等の『タニン』
魔王の親戚と言う事でやってきたが、自身も、そして魔王すらもここまで遠いと赤の他人という認識が強く、何故自分が魔王軍の幹部なのかも分からないという感じで、最後までよそよそしい奴だった。
後に姉さんが撲殺。
ーーーーペンチャンの『7待ち』
満を持して登場した最後の邪神。
重度のギャンブル狂で、麻雀対決となった。
が、対面に『チー』をしたり、トイトイしか役を知らないなど、麻雀のルールすらよくわかってない奴だった。
挙げ句の果に、オーラス7巡目で四暗刻単騎を張った姉さんに対してフリテンの誤ロンをかまし、ブチ切れた姉さんに撲殺。
こうして、俺達は魔王城までたどり着いた!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全ての邪神を倒した俺達はここではじめて魔王と対峙する。
魔王はロリ、金髪、ツインテール、ツンデレ、貧乳、語尾に『~なのじゃ』をつけるなど、ありったけのテンプレ娘であり、姉さんの鳥肌がマックスになるような奴だった。
「オーブ無しで我に挑むとはいい度胸じゃ!」
「姉さん、まさに極まれりっすね」
「ええ、ここまで来るとテンプレのレギオンね」
しかしよく見ると魔王の奴、顔面蒼白で膝から下がガクガクと震えていた。
なるほどね。
「姉さん、どうします?」
「玉城君。流石に私だって幼女を撲殺する趣味は無いわ」
「ねえ、魔王さん」
「ヒィッ! 何なのじゃ! 我を殺すのか!?」
「あなた次第よ。どうする?私達と戦う?それとも私達の世界で平和に暮らす?」
「平和に暮らすのじゃ! お姉様に絶対の服従を誓うのじゃ!」
土下座だ……2つ返事だった。
こうして俺達は自分たちの世界に戻り、平和に暮らしていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔王はその後、生活費を稼ぐためユーチューバーへ転身するが、初回の放送で緊張のあまりカメラを1分間睨み続けるといった謎の動画が何故かバズり、現在は『睨み屋マオちゃん』として活動している。
箱はその後、魔王の媚薬をシャインマスカットと勘違いして食べた後、裏切りの箱『ハコエル』として姉さんと対決するが、切手を見せた瞬間大人しくなり、よく見ると死んでた。
後に姉さんが撲殺。
俺と姉さん? まぁいつも通りだけど、
暇だったらその後も言っても良いかな。
異世界に来といてなんですが、テンプレ通りの展開なんて死んでも御免です マイルド版 長崎ポテチ @nagasaki-86
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます