君と私と天使の思い出

夜野桜月

1 思い出探し、はじめ。

謎の場所









ここは、いったいどこなのか。


周りを見てみると、


ひたすら白だった。


ここは部屋なのか、いったいどこなのか、

まったく見当がつかない。


私ははただぼぅっとしているしかなかった。


すると、どこからか、

「あ、起きたんだね。」

癖のない、すっきりとした声。


目を凝らし、周りを見る。

すると突然辺りが光った。


思わず目をつぶる。



目を開ける。


そこには少女がいた。

希美と同い年ぐらいだろうか。

髪は短く、白いワンピースに身をつつんでいる。


なぜ、突然現れたのか。

ここはどこなのか。

少女は誰なのか。


聞きたいことがたくさん浮かぶが、

それより印象的なのは、


少女の背中に羽がはえていること。


「なんで背中に羽が生えてるんですか……?」

(しまった、言ってしまった……)

「ふふっ、そりゃー驚くよね。」

そう言うと、この人(?)はパチンと指をならした。


景色が、変わった。


「なんで雲の上にいるの……!?」

「ふふん~だって、私天使だもん。

あ、そうそう、ここは死の世界と生の世界の狭間ね。」

希美は驚いた。

「それって、私死んでる…………」

「んじゃないのよ、希美ちゃん。

私が死の世界行きを止めてあげたんだからね。」

「え、死んでないんだ。てか、なんで私の名前を……」


「だって、天使だもん」


と、口の端を片方だけ上げて天使は言った。




つづく



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る