第251話 サキュバス
言わなくてもわかるかもしれませんが、サキュバスのイメージはデビルーク星人です。
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しばらくして、十分な量の体液を確保したようだ。ソノラの拘束が解かれる気配がした。
背後から聞こえてくるのはすすり泣く声。
「うぅ……もうお嫁に行けません……ぐすっ」
「……大丈夫。性欲の権化であるシランが貰ってくれる」
「そうしないと討伐されちゃうわね。また性欲魔人の毒牙に新たな獲物が……可哀想に」
「緊縛には興味ありませんか? 罵倒されることには? 踏まれたり、お尻ペンペンされたり、椅子になったり、足を舐めたりといった甘美な痛みと屈辱的な行為にご興味はっ!?」
言いたい放題だな! そして、ケレナは一旦落ち着こうか。
ソノラを深淵なる新たな道へと引きずり込むのは止めてください。
「……次は、身体や能力の実験。シラン、こっち向いて」
「へーい」
「きゃっ!? だ、ダメですぅ~!」
ソノラの拒否は遅かった。もう俺は振り向いた後。
そこには、白いシーツで前を隠しただけの豊満な身体を持つ人外美女がいた。
火照った肌。潤んだ
えーっと……事後?
「……淫魔というのは、悪魔系のモンスター。主食は感情……という名の魔力。その中でも色欲、つまり性欲、エッチな快楽や感情が専門」
「あのぉ~? 洋服は……?」
「……たぶん、サキュバスになったことで、本能的にエッチなことは得意なはず」
「あのぉ~? お話を聞いて……」
「……得意技は魅了。そして
「洋服、ないんですね。わかりました……ぐすん」
「……
「ディ、ディープ!? セ、セック……!?」
「……サキュバスのくせに純情のフリをしないで」
ビュティさん。ソノラを揶揄うのはその辺にしておいてください。確かに、顔を真っ赤にして恥ずかしがる姿には嗜虐心がくすぐられるけど。
ソノラはほんの少し前まで人間だったんだから。
白衣を着た幼女がコテンと可愛らしく首をかしげた。
「……今からする?」
「な、何をですか?」
「……ディープキスもしくはセックス。シランを相手に」
「す、すすすすするわけないじゃないですかぁ~!?」
「……サキュバスなのに初々しい反応。狙ってる?」
「狙うって何を!?」
「……処女のサキュバスなんて超絶激レア」
「殿下ぁ~! この子、不思議ちゃんなんですかぁ~!? どうにかしてくださいよぉ~! 話が通じませ~ん!」
うんうん。ビュティは不思議ちゃんなんだよ。ポワポワした雰囲気からわからなかったのかい?
ちなみに、マッドなところがあります。研究のためなら体液だって平然と使用しちゃう。
今、採取されたでしょ? どこの体液かは聞かないことにするけど。
「……しないの? じゃあ、次の実験。身体を変化させて?」
「変化、ですか?」
「……そう。サキュバスは男を魅了するために相手の好みに合わせて自由自在に身体を変化させることが出来る。尻尾や羽も消せる」
「えーっと、やってみます…………んっ! えいっ!」
可愛らしく気合を入れたかと思うと、シュッとソノラの背中から悪魔の羽と尻尾が消失した。
こうなるとただの美女だな。うん、綺麗だ。
「……はい、服。もう着れるでしょ」
「あ、ありがとうございます。そっか、羽が邪魔で服を着れなかったんですね」
俺の視線を気にしながら、ソノラは背を向けて渡された服を着る。
艶めかしい背中。羽織られたのは白いシャツ。
……それ、俺のシャツなんだけど。
「……んっ。裸ワイシャツ。様式美!」
様式美じゃない!
でも、透ける胸とか、巨乳でボタンが飛びそうになっているのとか、とてもグッジョブ! ありがとー!
「す、透けてません? 出来れば下の方も何か……」
「……じゃあ、小さくなってみて」
「あ、聞いてませんね。わかりましたよぉ! やってやりますよ!」
目を瞑った裸ワイシャツ姿のソノラ。少し意識を集中すると、その身体がスルスルと小さくなっていった。胸が消失し、身体が縮む。
あっという間に、ぶかぶかなワイシャツを着た幼女のソノラが座っていた。
なんか懐かしい。出会った頃のソノラだ。
「あ、あれっ? 本当に小さくなってるぅ~!?」
「……ロリソノラ。今度は元に戻って」
「はい!」
スルスルと大きくなるソノラ。元の巨乳美女に戻った。
楽しくなったのか、美女と幼女を繰り返す。
サキュバスにはこんな特性もあったのか。知らなかった。
「……今度は髪の毛」
「はいです。んっ……おぉ! 長さも色も自由自在です! あっ、やっぱりこれが落ち着く」
紫に近いピンクの髪から、元の栗色の髪へと変化した。
見慣れたソノラになって俺は少し安心した。ソノラと言ったら栗色の髪のポニーテールだったし。
ソノラは鏡を見ながら呟くように言った。
「目の色は変えられないんですね」
「……それは魅了眼。魔眼の一種。淫魔の特徴だから多分無理」
「そうなんですね。でも、これはこれで綺麗なのでグッジョブです」
「……今度は胸だけ変化させてみて」
「はい!」
巨乳美女が集中すると、スルスルと胸だけしぼむ。最終的にはまっ平らな貧乳美女となった。
軽くなった自分の絶壁を触り、ソノラは絶望して涙目だ。
「お、おっぱいが……私のおっぱいが……」
「……自由自在なんだから、好きな胸の大きさにすればいい」
「そうでした! んっ!」
突然、バインと大きくなったソノラの胸。シャツが限界まで伸び、耐えられなくなったボタンが弾けた。
「あいたっ!?」
「ご、ごめんなさい殿下! 大丈夫ですか?」
弾けたボタンが俺の額を直撃したのだ。
まさか弾け飛ぶとは。
このボタンは宝物にしようかな……。
「……美幼女、美少女、美女。あらゆるシチュエーション、好みにも対応。よかったね、シラン」
「性欲魔人……サイテー」
「偶にはロリでイジメられるのも良いですね。ゴクリ……」
何も言ってないんだけど!? インピュアの冷たい視線が突き刺さるぅ~!
でも、一つ言いたいことがある。美幼女、美少女、美女への変化は君たちも出来るよね?
俺、時々ロリっ子に襲われるんですけど、そこんところはどうなんでしょうか、意外とロリにノリノリなインピュアさん?
あっ、視線を逸らした。
「……次、魅了を使ってみて」
「はい先生! 使い方がわかりません!」
ソノラもノリが良いですな。
「……いつもみたいに、シラン好き好きオーラを放出すればいい」
「そ、そんなオーラ出してないですよ! 出してませんよね、殿下?」
俺はスゥーッと目を逸らした。
えーっと、うん。出してないですよー(棒読み)
「……ほら早く! 相手を見つめて『こっち来て』とか『触って』とか『愛してるー』って思えばいいから」
「うぅ……!」
顔が真っ赤になりながらも、ソノラが
シャツのボタンは弾け飛び、はだけて胸の谷間が覗いている。
俺は目が離せない。
ソノラはそっと両手を伸ばした。
「で、殿下……きて?」
『ぬおっ!?』
誰かの驚く声が聞こえたかと思うと、俺は黄金の輝きに呑まれた。
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