第45話 フェリーニ祭
台風は上陸しないで済みそう。今日から雨を覚悟していたのですけれど、結局降りませんでした。ありがたい。
さて、これまで観る機会を逸してきたフェデリコ・フェリーニ監督作品。
この度の生誕100年のフェリーニ祭では、デジタルリマスターなのでとてもきれいです。いろいろな技術が駆使された果実を受け取るわけですね。
モノクロの「青春群像」とカラーの「魂のジュリエッタ」。
よくよく考えなくても、私はなんでかフェリーニの映画を観たことがなかったのです。でもあまりに有名な監督ですし、なんとなく入り込んでいるものはあるのですよ。たぶん彼が影響を与えた与えられた映画を観ているからでしょうね。
ふたつの映画はどちらもフェリーニ自身の人生が投影されているらしい。
「青春群像」はイタリアの田舎の街のダメンズたち。若者が仕事を得るのが難しいのか、家族に養ってもらってのうのうと暮らしている。わたしのイタリアのイメージからずれない。無職でも堂々としている。悪いことも堂々と正当化ししゃう。自分に原因を向けないの。これがなぜ評価の高い映画なの……私も思うわ。でも、心に刻まれるものがあって良い映画は余韻が長いのです。
「魂のジュリエッタ」はフェリーニの妻、ジュリエッタ・マシーナが主演。フェリーニ夫妻を描いているの?と思わせているのか。夫の浮気を疑う妻の苦悩、心にある想いが可視化されるのですね。とても、真面目な夫を信じてきた妻は簡単に自分を変えられないし、夫を変えることもおそらく不可能。妻の心の整理でもあるようです。
この映画の最後の場面は、夫妻で解釈が違うという笑。妻が自由になったという監督、妻の心は寂しいという主演女優。これも余韻が長そうな。
明日はまた別なフェリーニを観に行く予定です。
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