いつまでも変わらないもの

勝利だギューちゃん

第1話

せちがない都会を離れて、とある田舎の村にやってきた。

ここに、彼女がいる。


僕は、その彼女に会いに来た。

久しぶりに会う彼女・・・

胸がときめく・・・


断っておくが、彼女は生きています。

彼女のお墓参りではないので、念のため。


駅に降りる。

驚いた。


「変わり過ぎだろ」


僕がこの村に住んでいた頃は、ド田舎で喫茶店も商店街もなかった。

だが・・・


ショッピングモールが立ち、喫茶店どころかレストランが建ち並んでいる。

自動車が走り、排気ガスで充満している。


体が弱く、空気のきれいな所でないと、病気になる彼女。

元気だろうか?


不安がつのる。

手紙はもらっている。

彼女の筆跡なので、間違いない。


「元気だよ。安心して」

振り返ると、そこには懐かしい彼女がいた。


「やあ、来てくれたんだね。嬉しいよ」

「僕も、元気そうで安心したよ」


以前の彼女は、弱弱しかったが、とても、元気になっていた。


「何かあったの?」

彼女に訊いてみた。


「何が?」

「この村の発展・・・」

「ああそれね。ここだけだよ」

「ここだけ?」

彼女は頷く。


「まあ、客寄せみたいなものかな・・・」

「客寄せ?」

「うん。車で30分も走れば・・・。ううん、とにかく行こう」

彼女に手を引かれる。


そこには、彼女のお父さんがいた。

家族ぐるみの付き合いなので、すぐに昔のように、話すようになった。


そして、走る事30分。


以前と変わらない村がそこにはあった。

安心した。

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いつまでも変わらないもの 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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