お風呂での対話
正直、僕としては目のやり場に困ったものだ。
あのまま広間で一夜を明かすかと思えば、ひかりは風呂場へと移動した。
そこから何の恥じらいもなく白い肌やたわわな胸を僕の前で露出したのだ。ひかりの体に
そもそも、ひかりはてんで僕のことなど眼中にないらしく、平気で
「あの……一応、僕ここに居るのだけれど……」
気を使って断りを入れてみる。
「魂だけの幽霊のあなたに、何の
キョトンとした表情でひかりが言葉を返してきた。
「あ、いや……。気にならないのなら大丈夫です」
ひかりが余りにも堂々としているので、逆にこっちがタジタジとなってしまう。
熱い湯船に
「それで、
僕は広間で自己紹介や霊体となった
「改めて言わせてもらうけれど……残念ながら、あなたは既に死んでいるの。わたしに憑依していることやあの
ひかりは
僕はひかりに頷き返した。
「ああ。……あの死神たちは、何で僕のことをつけ狙うのかな。君は何か知っているかい?」
あの死神たち──初めに死神風の
「さしずめ、霊体を食らう鬼とでも言ったところかしら。……まぁ、あなたの言葉を借りるなら『死神』と称する方が分かりやすいかもね。あれらはただ、この世に
「霊体を狩る存在か……」
「ええ」と、ひかりは頷く。
「あくまでも、あれらは幽霊を狩るのが専門。だから、こうしてわたしの体に入り込んだあなたのことを、
ひかりは
「活動時間にも制約があるわ。闇夜に
東の空が
それと同時に、先程までこの風呂場を取り囲んでいた馬たちもどこぞやへと姿を消す。
馬たちが居なくなると、僕はひかりの体から放り出された。
無抵抗な僕は体勢を立て直せず、そのままひかりが浸かる湯舟の中へと沈んでいった——。
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