狩り
私はニーシ国の冒険者をしている モブリオン という
冒険者歴15年のベテランだ
近頃は大山周辺から降りてきているモンスターが多く、周辺の村々を襲う事態が非常に増えてきている
では、大山周辺の村々は迷惑しているのかというと一概にそういうことではない
むしろ、モフ国ができたことで空前の好景気となっているため、これを機にできるだけ儲けて村の設備を向上させようとしているくらいである
そして好景気なのは俺たち冒険者も同じことだ
モフ国ができてモンスターが周辺国家に降りてくる→冒険者が狩りをする→素材をかりとる→モフ国が素材を買い取ってくる
そのようなルーティーンが出来上がっている、買い取り額もそこらの数倍という破格
今俺たち冒険者も空前のモフ国景気を体験しているところだ
そして今も俺と相棒の サルモリ とで大山の道を外れてモフ国に向かって、道中のモンスターを倒しているところだ
サルモリはこんなゴリラみたいな見た目をしているがれっきとした魔法使いだ、こいつとのパートナーは10年ほどになる
さてそんなことをしていると俺はモンスターの においを感じとった
風上から 獣臭と血の混じったような匂いが風に乗って流れてくるのを感じる
こういうときは近くにモンスターの巣があるか、モンスターが近くを徘徊しているかのどちらかだ
俺は素早く相棒にジェスチャーで合図をし、おそらくその方向にいるであろうモンスターの位置を相棒に伝え、そこから死角となる場所にて身を隠す
ここからは暫く動かずにモンスターの動向を確認する、巣の場合はどれだけ待ってもモンスターは現れないし、モンスターが近くにいる場合は複数の場合やばいので、数を確認する意味でも待つ、つまり待つということが狩りにとって非常に重要ということだ
例にもれず俺たちも身をかくしてまつ、相棒は反対側を確認し逃げ道の選定とモンスターの仲間が来ないかを監視る
モンスターを視認するようなバカなこともしない、モンスターによっては人間よりも目がいいやつなんてざらにいる、俺は死角から 音を頼りにモンスターがいるかどうかを確認する
音での位置の把握能力は人間は動物においてトップレベルに優れているのはあまり知られていない
しばらく音での監視を続けていると、思った通りの方角から枯れ葉を踏む音が聞こえてきた
カサ カサ カサ
と一定のリズムで聞こえる足音、音から察するにそこそこの体重と1体のモンスターと予想を立て、長年の経験からおそらくオークと判断する
俺は相棒にジェスチャーで 相手のモンスターの種類と数を伝える
相棒からも万が一の逃げ道の確認を行い、やばいモンスターであった場合すぐに逃げるorやり過ごすことができるように身構えながら視認を行う、いつでもこの瞬間は緊張するが心臓の鼓動を抑える
ゆっくりと物陰から確認したところ オークが1匹で歩いているようだ
オークは獲物を探すようにキョロキョロとあたりを見回す
俺はいつもの作戦でいくと相棒にジェスチャーで伝え、用意しておいた石ころを俺たちから離れた草むらに投げ入れる
すると石ころを投げた草むらが ガさっと音を立てると、オークはそちらの方向に不思議そうに視線を移す、そして獲物がいるのかと草むらにゆっくりと近づく
俺はオークが草むらに ゆっくり近づいている後方から弓矢を構える、構えながらも再度モンスターに仲間がいないかの最終確認を行う、もちろんこの矢を放った瞬間から戦闘が始まるためだ、矢を放つ前ならこのまま隠れて逃げることも可能である
じとりとした感覚をうけながら狙いを定める、狙うは人型体型では一番とっさによけにくい腰のあたりを狙う、人体の中心は骨盤である、体を反らす、足を動かす、すべてにおいて骨盤は足か上半身の後に動く
そして、狙いが定まり、風の向きを計算にいれ、矢を放つ少し前から息をとめ無心で矢を放つ
矢は風切り音を上げモンスターに迫る、弦音と風切り音もしくは殺気を感じてかオークはとっさに襲撃に警戒し戦闘態勢に入るように腰を落とすが
ちょうど背中のあたりに矢が命中した
なかなか勘の良いやつだったが矢は命中した
オークは矢を受けると ウグッ と声を出してこちらに振り返る
俺は慌てずに2本目の矢を用意するが、オークは すぐにこちらに駆けてくる
矢の1本程度あまりダメージの入っていないオークは ガフガフと言いながら全力疾走でむかってくる
そうしてオークとの距離がだんだんと近づいてきたところ
「雷撃」
相棒のサルモリがひそかに距離を詰めていて横やりを入れる
カミナリ魔法はあまりにもピーキーな魔法だ。電気というものは方向性を持たせないと使い物にならない。ゴールを定めずに放電しようものなら仲間にあたってしまったというのはよく聞く話だ。カミナリ魔法は通常は武器にまとわせて使ったり、あとは俺たちがやったようにモンスターにゴールとなる避雷針をつけて攻撃する
カミナリ魔法の威力は高くオークは1舜硬直する
その一瞬の隙に合わせるように俺は駆けだしていた勢いそのままに小剣をやつの喉につきさして、剣をつきさしたまま手を放し、バックステップでオークから離れる
そうするとオークは声も上げられずに、呼吸ができないのと、小剣と矢に塗っておいた毒とでもがいたあとに動かなくなった
「いえーーい」
相棒とガシっと腕を組んで勝利を分かち合う
そんな感じで俺たちは狩りを続けていた
そうしていると、ふと遠く離れたところに見つけてしまった
「なんだあのモンターの数は!!!」
そこには何百ものモンスターの群れがいた
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