モフの手紙便2
私はミーミー貴族、この前はモフの手紙便のテストを行い、今回また手紙を出してみる、今回も遠方の好意にしている貴族仲間との情報のやりとりだ。情報のやり取りは貴族のかなめとなる、となるとやはりモフの手紙便は素晴らしい
「さてそろそろモフの手紙便がくるころかな」
執務中にふとそう呟くと
「ガシャーーーン!!」
窓ガラスを割ってモフが手紙を持って入ってきた
「おいいいいいいいいいい!!!なにやってんの!?!? 前回窓にぶち当たったのがそんなにむかついてたの!!??」
どうやら今回は前回の反省を踏まえて石を持ってガラスに突入し、ダイレクト手紙便をやったようだ。
「しかもなんで嬉しそうなんだよ!!」
そういってもモフはニヤリとしながら私の体に登ってきて、私のホッペに手紙を押し付けてくる
「ハンコ!!!」
してやったり顔がムカつくが、素直にハンコを押してやる
こんなモフ1匹に文句をいってもしかたないのと、クレームを言っても現状モフの手紙便以上に迅速な情報伝達は無いためだ
噂ではクレームを付けたやつの所にはモフ町の住人が丁寧に非礼をわびたあとに、二度とモフの手紙便は使えなくなったらしい。わびるけど改善はしない、嫌なら使うなというスタンスのようだ、実にいやらしい
ハンコをもらうとモフはパトに乗って飛んでいった
後日
「さてそろそろモフの手紙便がくるころか」
執務中にそう呟くと、私はモフがいつも突入してくる窓ガラスを開ける
前回は窓ガラスを割られてしまったからな、これでモフも気持ちよく入ってこれるだろうと思っていると……
「ガシャーーーーーン!!」
窓ガラスが割れる
「おいいいいいいいいいいい!!なんで今日は別の窓からやってきたの!!??いつものとこ開けてたんだよ!!?なんでそっちのガラス割ってくるの???」
またモフはしてやったり顔で手紙をおしつけてくる。また対応が必要のようだ
また後日
「よし!そろそろモフの手紙便の時間だな」
私は部屋中の窓ガラスを開け放つ、これでどこの窓からきても対応できるように
そんなことをして待っていると
「すいーーーーー トン」
モフが空いた窓から部屋に入ってきた
「ふははははは、成功のようだな、さあ手紙を渡すんだ」
モフは不思議そうにきょろきょろとあたりを見回している
「ガシャーーーーーーーーン!!」
窓ガラスが割れる
「おいいいいいいいいいい!!なんで割ったの!?ねえ!ちゃんと入ってこれたじゃん!?」
にやりとモフは笑い、手紙を突き付けてくる
「もうどうしたらいいか分からん」
そんなやり取りをして時間が過ぎて行った
数日後
私はミーミー貴族、モフの手紙便を使い最近では情報伝達が迅速に行われて私の領地経営は順調に進んでいた、だが……
「そろそろモフの手紙便の時間だな」
そう呟きメイドに準備をさせる
窓の一枚を東の島国に伝わる障子という紙の建具に替えて、その障子に文字を書く「障子を破らないで!!」そう書いてモフの手紙便を待っていると
「ガサッ!!!ドン!!」
モフの手紙便がきた
「ウワー、マイッタナー、また障子が破られてしまったー、コマッタナー」
棒読みでそう言うとモフは満足そうに手紙を突き付けてくる
この攻略法を見つけるのに何枚の窓ガラスが割られたか
ミーミー貴族はやっとモフの手紙便とうまく付き合えるようになった
ミーミー貴族とハーハー貴族
「やあやあハーハー男爵殿、最近はいかがかな?」
「これはこれはミーミー男爵どの、そうですな、最近はモフの手紙便で領地経営も順調ですハハハハ」
「それは良かったです、うちもモフの手紙便でうまくやっておりますよ、ただモフというやつらの対応にはまいってしまってましたが、ははは」
そういって笑いながらも領地経営の効率化を図れて嬉しそうにミーミー貴族は答える
「そうですなあ、あれにはなかなか対応に時間がかかってしまって」
「おやおや?ハーハー男爵殿はまだモフの対応の攻略をご存じない?私はもうモフの対応方法をみつけましたよ」
「それは本当ですか!?私もモフの手紙便は有能なのですが、対応に時間がかかってしまっていて、ぜひ対応を教えて頂きたい」
「ふふふ、分かりました、では貸ひとつとしましょう。手紙が来る時にこれをするだけで費用と手間が全然違いますよ」
「費用?」
「えっ?毎回毎回費用がかかって大変でしょうと言っているのです」
「いや費用はかかりませんな、かかるのは時間だけでしょう?」
「えっ?時間はあまりかかりませんが……」
ミー・ハー「えっ?」
「私の所は毎回毎回窓ガラスを割って突入してくるのです。なので私は東の島国の障子という紙の建具を使って、毎回その障子に誘導しています」
「私のところは、普通に開けた窓から入ってきますが、「なでろ」といって小一時間なでないと手紙を渡してくれません」
「「…………」」
ミーミー貴族は思った
どうやら私のとこにくるモフはハズレらしい
そんな感じで人々はモフに翻弄されていた
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