初戦闘の結果

 森に入って数時間。毛のないモンスターは避けてきた。縫いぐるみだからか敵だと認識されないのと、餌になり得ないので全然モンスターは襲ってこなかった




 そしてついに見つけた イノシシの子供ウリ坊


 数は1匹、親と離れたのかウリ坊だけでいる。辺りを観察したが親が近くにいる気配や駆けつけてくる気配はない




 これはチャンスだ。武器は石槍を持っている


 初陣ということで他の3匹の縫いぐるみ達は委縮している


 ここでまずウリ坊どもを颯爽とやれば他の3匹も多少は自信がつくだろう。


 まあこんな小さくて脆弱な存在を倒したところで大した自信にもならないだろうが、まあいいまずはこのクマ太が一番槍を切る




 獲物はまだこちらには気づいていない


 一応ウリ坊でもモンスターのようで鼻の部分はえらく堅そうだ


 もう少し近づいて・・・


 そろそろここらへんから気付かれるだろう、さあお前ら見てろよ


 いざ突撃!




 ウリ坊は地面に餌をさがしているのか下をみて鼻をすんすんしている、そしてウリ坊に向かっていくとウリ坊が気付いた


 流石モンスター逃げずに迎えうつようだ、だけど


 ぜんぜんウリ坊に近づけない!なぜだ!ものすごく遅いぞ、これはまさか相手の動きを遅くする魔法か!




 しかしめげずに槍を持ちウリ坊に向かっていく、ウリ坊はすでに構えている


 しばらく走り続け槍の間合いに入ったそしてやりを正面に突き出す!!


「・・・・・」槍を突き出したが風切音がしなかった、静かに槍が突き出された


 それを見てからウリ坊は横にさける、そしてこちらに向かって突進してきた




「見えているクマー!」




 そう叫び余裕をもってその攻撃をこちらも横っ飛びでさけたと思ったが、ちょっとかすった、全然余裕をもっていたはずなのだが、まだ魔法の影響があるのか




そしてなんども槍を突出しぎりぎりでウリ坊の攻撃をさけていたが


「ぼふ」一撃ウリ坊の突進が体のど真ん中に直撃した


痛みはないが数メートル吹っ飛んで着地を・・・まだ飛んでいるどんだけ飛ぶのか


 結局10メートル以上吹っ飛ばされた。やつはそこまでのパワーを持っていたということか




 一撃入れて気をよくしたのかウリ坊が距離を詰めてくる、やむを得ん




「お前ら全員で囲むクマー」




 他の縫いぐるみ達がビビりながらウリ坊を囲んでいく、そして全員が何回も攻撃を受け吹っ飛ばされながらなんとかウリ坊を倒し帰路に着いた



 ウリ坊程度では少ししか毛糸は作れなかった、そしてウリ坊との戦いを得て気付いたことがある



 どう見ても縫いぐるみ達の動きが遅かった、認めたくなかったが私もあんな感じだったんだろう。吹っ飛ばされて10メートル以上とんだのも体重によるところが原因のようだった。



 そう我々はめちゃめちゃ弱かった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る