マシンガンシティ
ジャック
第1話
1929年 アメリカ シカゴ
アメリカ国内における鉄道・航空・海運の拠点として、また五大湖工業地帯の中心として発展し、ニューヨークに次ぐアメリカ第2の都市となったこの地で物語が始まる。
白を基調とした「ホワイト・シティ」と呼ばれる万博会場を造りあげ、それと同時にオーケストラホール、図書館、博物館、公園などの文化施設が立ち並び、摩天楼がそびえ立つダウンタウンの高層建築は、シカゴ派と呼ばれた。
そしてジャズ・エイジ、狂騒の20年代と呼ばれたアメリカ合衆国の1920年代の文化・世相は第一次世界大戦が終結し、ジャズが時代の流行の音楽となり、享楽的な都市文化が発達した時代で、大量消費時代・マスメディアの時代の幕開けでもあった。
しかし、それらはいわゆる富裕層によって生み出されたものであり、肥大する経済発展とは裏腹に貧富の差の拡大で、ウェストサイドでスラム化が進行した。
特に移民たちは人種差別などから低賃金の重労働以外に就くことはほぼ不可能であり、新天地での生活も相変わらず苦しいものだった。
また、世界中に吹き荒れた世界恐慌によって銀行は倒産。銀行が融資していた企業も倒産、企業に仕事をもらっていた工場も倒産とドミノ倒しのように影響が広がり、アメリカのみならず世界中でどん底の状態だった...。
アレッサンドロ・ロッカはイタリアからニューヨークに移り住んだ移民でロッカ一家はイタリアの年収がアメリカでは1日で稼げるというアメリカン・ドリームを信じて渡米した。
しかし、実際には両親共にまともな仕事にありつくこともできず、日雇いの労働者となって生活していかなければならなかった。ロッカ一家が描いたアメリカンドリームは崩れ、少年時代のアレッサンドロは家出を繰り返すようになり、やがてロワー・イースト・サイドという悪夢のようなスラム街で少年時代を過ごすようになる。
そうした環境の中、犯罪の世界にアレッサンドロは足を踏み入れるようになり、ファイブ・ポインツ・ギャングと呼ばれるイタリア系のストリートギャングの集団に身を投じた。のちに彼はシカゴのボスになるアル・カポネと出会い、カポネがイタリアン・マフィアの幹部ジョニー・トーリオにシカゴ行きを誘われ、アレッサンドロもまた、シカゴに足を踏み入れることになる。
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