第418話 帝都到着
<帝都王宮>
飛行船がギルドの発着場に近づくと、声は聞こえないが大勢の人達がギルドの周りを埋めていた。
上空から見ているが、凄まじい人数だ。
飛行船の発着場に到着。
飛行船の入口が開くと、大歓声が飛び込んできた。
発着場には人はそれほどいない。
ただ、周りで響くほどの声が溢れている。
アニム王が降りて行くと、王国の重鎮たちだろう人が出迎えていた。
エレンさんもいる。
アニム王たちはここから王宮専用の移動ポッドみたいな乗り物で王宮へ向かうようだ。
なるほど、こんな人だかりの中を移動できるはずもないだろう。
俺たちはアニム王を見送ると、昇降装置の方へ向かう。
エレンさんがお疲れ様でした、と声をかけてくれた。
本当に疲れましたよ、とつぶやいたら笑われた。
後で王宮へ行ってお話があるそうだ。
だったら俺たちも乗せていってくれてもよさそうなものなのに、と思ったが仕方ない。
昇降装置の下の方から、振動が伝わって来る。
こんな大音声、まるでアイドルだな。
昇降装置で帝都ギルドの受付フロアに到着。
!!!
「「「「わぁぁああ!!」」」
「「「おめでとう!!」」」
「「やったなぁ!!!」」
・・・・
・・
お祝いの言葉の嵐だ。
昇降装置から前に進めない。
人で埋め尽くされている。
「キャァ!」
フレイアの声が聞こえた。
俺は急いで振り返る。
俺の後ろに居たのにどうしたんだ?
フレイアが胸を抑えるように腕を前で組んでいる。
フレイアの顔を見ると、何やら怒っているような顔だ。
人の声でこちらの会話があまり聞こえないので、俺は念話を送ってみた。
『どうしたんだ、フレイア』
『うん・・その・・胸を触られたのよ』
『!! 何~!? まだ俺でも
俺は即座に頭で反応してしまった。
念話なのを忘れていた。
そのままフレイアに言葉が飛ばされている。
俺はゆっくりとフレイアの顔を見る。
ドン!
フレイアのパンチが、ボディではなく顔面に飛んできた。
「フ、フレイア・・俺を殴ってどうする・・」
俺はつぶやきながらも、胸を触ったやつを探してみる。
見つかるはずもない。
フレイアは俺を睨んでいる。
すみません、フレイアさん・・って、なんで俺が謝らなきゃいけないんだ。
それよりも前に進めない。
・・・
この状況にエレンさんが少しキレたようだ。
魔法でギルドの中の人達を外へ転送。
ギルドの中が一気に静かになった。
静かになったのはいいが、飛ばされた人たちはどこへ行ったのだろうか。
「エレンさん、飛ばされた人たちってどこに行ったのですか?」
俺は思わず聞いてみた。
「はい、どうもお祭りがお好きなようですから、学校周辺の草原で騒いでいただくのがよろしいかと思い、そちらへ移動してもらいました」
エレンさんはあっさりという。
改めてエレンさんを見て思う。
女は怖いな。
そういえば少し身体がふっくらとしてきている。
ミランさんの子供が順調に育っているのだろう。
それにしても、母親になってくると女の人は強いな。
エレンさんから説明を受ける。
王宮の人たちは先に移動して、事後処理をするそうだ。
冒険者たちにはギルドを通して後でお知らせがあるという。
なるほど、俺たちも家に帰ろう。
俺はそう思い、エレンさんに挨拶をしてギルドを出ようとしたら、頭の中に念話のような言葉が聞こえて来た。
アニム王のようだ。
『帝都の皆さん、我々は邪神王の撃退に成功しました。 本当にありがとう』
アニム王の言葉は全員に聞こえているようだった。
あれほど騒がしかったのが、すぐに静かになっていた。
『我々だけではない。 魔族や周辺各国などの協力があってこそ生き延びることができたのだ・・』
アニム王の演説がしばらく続いた。
他のギルド支部にも映像は配信されているという。
・・・
・・
後でわかったことだが、世界各地に放たれていた邪神教団のアサシンが操る武装ロイド強化型。
各地にもそれなりのレベルのある戦士が育っていたらしく、なんとか撃退できたそうだ。
中でも魔法を収束して扱う地球人がいて、まるでレーザーのように放つ人に皆が尊敬と脅威を抱いたという。
ギルドでもマークが入ったそうだ。
そういえば、世界には自分に似た存在が3人はいるという話がある。
俺みたいな考えのやつが、それくらいは同時に発生していても不思議ではないだろう。
そんな奴等は目立つのは嫌だが、俺Tueee.したい連中だろうからな。
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