第365話 セーラが必死で説得してみるが・・
<アニムside>
セーラは続ける。
「我々の戦力はご覧の通り、国を相手にするような戦力です。 地上に展開している武装ロイドも1体で戦艦の相手も可能なくらいの戦闘力です。 それに航空部隊、戦艦部隊など遥かに以前の我々の想定を超えています。 私としては、お世話になったレア様と・・レア様と敵対することなどしたくありません。 ですから・・」
セーラがそこまで言った時だ。
レアが言葉を発する。
「セーラさん、ご心配ありがとうございます。 こちらからも質問よろしいでしょうか?」
レアが言う。
セーラは口をモゴモゴさせつつも、うなずいた。
「まず、このギルドにいた人物が
レアがそういうと、セーラがうなずきながら答える。
「わかりました。 ではその者のことを伺ってみます。 少しお待ちいただけますか」
セーラが武装ロイドまで戻っていく。
5分くらい経過しただろうか。
また武装ロイドが近づいて来る。
今度はレアたちの前20メートルほどのところまできて、セーラが降りて来た。
ゆっくりと歩いて近づいてくる。
「レア様、間もなく捕らえられた者がこちらに到着します」
上空を見ると戦闘ヘリがゆっくりと近づいて来ていた。
レアから見てセーラの武装ロイドの向こう側へ着陸すると、中から一人の男が乱暴に降ろされていた。
その姿を見たレアが静かに言う。
「セーラさん、あの者を拘束している首輪などを外していただけませんでしょうか?」
隷属の首輪。
基本、装着した者しか解除ができないようになっている。
例外はあるが、セレネーなら解除は可能だった。
だが、
セーラは着陸している戦闘ヘリの方へ駆け寄って行く。
ヘリのところで何やら話しているようだった。
戦闘ヘリはそのままトリノだけを降ろし、元の場所へと戻って行った。
セーラと一緒にトリノがレアたちの前にやってくる。
「レア様、申し訳ありません。 この首輪などをつけた者がどこにいるのか所在がわからないようでして・・」
セーラがそう言いつつ困った表情をしている。
レアはセーラを一度見て、すぐにトリノに向かい合う。
トリノがレアを見て、膝まづいていた。
「・・こ、これはレア様。 申し訳ありません、私が・・」
「トリノ殿、言い訳は後で伺います。 セレネー!」
レアがそういうとセレネーがトリノに近づいて行き、首輪に手をかざす。
セレネーの手をかざしたところが白く光ったかと思うと、首輪がボロボロと崩れ落ちる。
足のところにも隷属の装具があったので、同じようにした。
セーラはただ見ているだけだった。
「セーラさん、この者の解放ありがとうございます。 さて、後はどのようになさるのでしょうか?」
レアがセーラに聞く。
セーラは言葉を出すのに少し時間がかかってしまった。
だが、覚悟を決めたのか、レアの目をしっかりと見つめて言う。
「はい・・申し上げにくいのですが、この街は後ろに控えている艦隊で・・その・・消滅させよという上層部の判断でして・・」
セーラは目線を下に落とした。
「なるほど。 我々に対して見せしめにこの街の消滅を考えておられるのですね」
レアがはっきりという。
セーラは返答しない。
「セーラさん、おそらくですが、全艦隊で攻撃してもこの街の防御壁の突破は難しいかと思いますよ。 そして、そのセーラさんが乗られているおもちゃにしても同じかと思います」
レアは淡々という。
「・・レ、レア様。 確かに先ほど、前方の艦隊の攻撃は弾かれていましたが、全艦隊からの攻撃を耐えられるとは思えません」
セーラがオーバージェスチャーで
レアは気にすることなく続ける。
「セーラさん、
セーラは軽く震えていた。
「・・わかりました、レア様。 ですが、もう時間がありません。 私の意思とは関係なく攻撃が始まります。 なにとぞこの場からの
セーラがレアたちを心配しての言葉を発する。
レアはキョトンとした表情で、
「これはまた意味不明ですわ。 何故、我々が退去するのですか? 理解できませんわ」
レアの言葉にセーラが言葉を失った。
この人は何を言っているのか?
目の前の艦隊や地上軍が見えていないのだろうか?
そんなはずはない。
これだけの戦力に囲まれて、何か策があるのだろうか?
それとも、本当にこの小さな街にそれほどの防御力があるのだろうか?
確かに、前方の艦隊の攻撃は受けつけなかった。
だが、今度は違う。
全艦隊が攻撃をしてくる。
おそらく全艦隊があれば、世界すら相手に戦うことができるだろう。
それほどの戦力だ。
わからない・・。
セーラはどんな顔をしていただろうか。
わけのわからない表情でレア見る。
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