第331話 学校へ行ってみよう
まだ受付は一人だけのようだ。
ポーネか?
俺は軽く挨拶をして、掲示板に向かって行く。
掲示板を見ると新しい情報のところに、早速俺の調査してきた街の情報が記されていた。
早いな。
なになに、王国ギルドとのネットワークのない国の発見、近くを通過する時には注意されたし。
なるほど・・地図にも表示されているな。
注意区域か。
ん?
北米にもあるぞ!
あれ、こっちもある・・ふむ、結構あるんだな。
調査団、本当に大変だ。
お疲れ様だな。
そんなことを確認していると、俺の横の方でブツブツ言いながら掲示板を見ている3人組がいた。
真剣に掲示板を見ている。
何だろう?
なんか普通の冒険者とは違う感じがするが。
そんなことを思いながら受付を見ると、二人に増えていた。
両方とも空いている。
ポーネとロディーネだった。
俺は別に気にするでもなく、ロディーネの方へ行った。
「おはようロディーネ。 少し聞きたいことがあるんだが・・」
「おはようございます、テツ様。 どういったことでしょうか」
ロディーネが挨拶をしながら対応してくれた。
横からポーネの声がする。
「なるほど。 テツ様はロディーネを選ばれるのですね。 ドワーフのところではお世話になりました。 ポーネでございます・・」
俺とロディーネは顔を見合わせた。
ロディーネは笑っている。
俺はゆっくりとポーネの方を向いた。
「あのねポーネさん・・」
俺がそういうと、ポーネの方に誰か来たようだ。
「おはようございます。 ギルドへようこそ」
ポーネは営業スマイルで対応していた。
このガキャァ。
俺はピクッとしたが、ロディーネの方を向いてやや小声で言う。
「ポーネって、あんな面倒な
ロディーネは微笑みながら、ゆっくりとうなずいていた。
って、こんな茶番をするために来たんじゃない!
「ロディーネ、あの掲示板のところにいる3人組、何か変な感じがするのだが」
俺がそう聞くとロディーネも不審そうな顔で答える。
「あ、はい。 あの方たちは王国所属の方々ではないのですよ」
「え?」
俺は、呆けた顔だっただろうか。
でも、なぜそんな人たちがギルドにいるのかも聞いてみた。
「はい、あの方々は地球の街の人たちです。 ギルドでは登録さえしていただいたらライセンスカードは発行いたします。 ただ、王国民ではありませんので普通の冒険者扱いです。 ですが、ギルドランクは付与いたします。 それに手首にリストバンドをしてもらっています。 あれは街にいる間中つけてもらい、街を出るまでは外すことはできません。 お互いの事故防止のためです」
・・・・
・・
ロディーネがいろいろ説明してくれた。
ここ数日で結構増えてきているようだ。
なるほど・・まず俺が思ったこと。
王国はオープンなんだ。
問題さえ起こさなかったら寛容なんだ。
だったら、一緒にやっていけばいいのにと思うが、今まで通りのやり方がいい連中はそうではないのかもな。
俺には理解できないが。
「あ、ロディーネ忘れるところだった。 帝都の学校の見学をしたいのだが、どうすればいいのかな?」
俺は聞いてみる。
ロディーネは嫌がらずに、丁寧に説明してくれた。
学校へ行き、ライセンスカードを提示。
入学するのかどうかを問われ、自身の素養を測定。
どのクラスの適性があるのかを把握。
ただ、どのクラスを選ぶのも自由だという。
得意を伸ばすのもいいし、苦手な分野を強化するのもいい。
そんなことを説明してくれた。
・・・・・
・・・
「そうか・・ありがとう、ロディーネ」
俺はそういうと席を立ち、チラっとポーネを見たが忙しそうに仕事をしていた。
こういうかまってちゃんは放置でいいな。
頭の片隅に追いやって、ギルドを出る。
時間は7時になっていた。
嫁や凛たちが学校へ行く時間って、もうすぐだったよな?
先に学校へ行ってみよう。
学校は街から少し離れたところに建てられている。
王宮と神殿や図書館の場所とは違う場所だ。
王宮からダンジョンへ向かう街道から少し離れたところにある。
ダンジョンは城壁を通過しなければいけないが、まさか城壁の外に学校を建てるわけにもいくまい。
学校の周りには小さな草原が広がっていて、閑静な場所だ。
この辺りは学術研究以外の施設は建設されていないようだ。
さて、そんな風景を見ながら歩いていると学校へ到着した。
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