第204話 これが飛行船か
「そんなことが・・」
「えぇ、王宮でも重宝されてますよ」
エレンさんが教えてくれる。
「それにテツ様のお母様はプリーストでしたね。 これからのご活躍が楽しみです」
「そうですか・・」
なんか、俺だけが取り残されてるような・・そんな感じがした。
俺の不安そうな感じを見て、エレンさんが顔を近づけてくる。
「テツ様、ご心配ならさずに。 ご両親様に無理はさせません。 それに、テツ様の活動もすごく高く評価されていますよ」
エレンさんが力強く言ってくれる。
「エレンさん・・」
俺は苦笑しながら答える。
エレンさん、あんた褒め上手だな。
「テツ様、本当ですよ。 ミランなんかは絶賛です。 彼は元Sランクの冒険者なのですが、これからの活躍が楽しみだと・・それにいつまでもアニム王の良き友人であってほしいと言っておりました」
エレンさんがしっかりと俺を見つめて真剣に話してくる。
「ギルマスが元Sランク・・凄いですね」
俺はそこに驚いた。
そりゃ、強いはずだ。
「はい。 ミランはテツ様をすぐにでもAランクにしたいそうですが、手順がございまして・・ですが、しばらくすればランクアップすると思います」
「そうですか。 ありがとうございます」
俺は素直にうなずく。
話ついでに、連絡船の発着場に行く建物に登れるのかと聞くと、エレンさんが案内してくれるという。
ご厚意に甘えておこう。
移動はエレベーターみたいなものを使う。
円形の筒みたいなものに入ると、扉が閉まる。
音もなく床が上昇する。
魔法で動くのだそうだ。
全然振動がしない。
すぐに発着場に到着した。
扉が開いて、外に出てみる。
とても景色がいい。
眼下に帝都の街が放射状に広がっているのが見える。
発着場に船があった。
本当に飛行船のような感じだ。
どうやって浮いているのかわからないが、動力らしきものがない。
そういえば、この帝都だって魔核で浮いているからな。
・・・
わからん。
とにかく、これで地上と行き来するのだろう。
飛行船の中も見せてもらった。
入り口がスムースにスライドして開く。
当然、まだ誰も乗っていない。
作業員だろうか・・一人いるがエレンさんに挨拶していた。
中は何層かの構造になっているようだ。
見た目と違って中は広い。
空間魔法で拡張しているという。
凄いな。
入って下の階は荷物などの運搬に利用するのだそうだ。
入り口の階は自由に動き回れる場所らしい。
窓際に座れる椅子などがある。
2階、3階は指定席が設定されてるようだ。
カウンターがあったり、テーブルがあったり、いろんなタイプの椅子や広い空間がある。
聞けば、長距離になると食事をするところや寝る場所なども設置されているのもあるという。
俺には凄いの言葉しか出て来ない。
エレンさんにお礼を言って、ギルドの受付まで戻って来た。
「エレンさん、本当にありがとうございました」
「どういたしまして」
エレンさんは笑顔で返答すると、受付の奥の方へ移動して行った。
「テツ、どうするの?」
フレイアが聞いてくる。
「うん、特にやることもないんだが・・フレイア、ダンジョンに一緒に行ってもらってもいい?」
俺はフレイアに聞いてみた。
「ダンジョン? 別にいいけど・・どうして?」
フレイア、ダンジョン嫌いなのかな?
「いや、特に理由はないんだが、この掲示板を見ていると、魔石なんか買ってくれるみたいだし、レベルアップもできるんじゃないかって思って・・」
俺は適当に答えてみる。
「そうね、レベルアップか・・いいかもね」
フレイアは何か考えていたようだが、とにかく問題はないようだ。
「ありがとう、フレイア」
俺は一応お礼を言っておいた。
「べ、別にお礼なんていいから!」
フレイアは手を顔の前でバタバタさせている。
かわいいな。
さて、ダンジョンのことについて知りたい。
俺はそう思ったので、受付で聞いてみることにした。
ちょうどアリアのところが空いているので行ってみる。
「アリアさん、少し聞きたいのですが・・」
どうぞと言われ、席につくように
俺がダンジョンのことについて聞きたいというと、
アリア、感じがいいじゃないか。
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