第119話 目の保養です
「フレイア、後はよろしく頼むな」
フレイアは任せておけと言ってくれる。
美人だし、頼りになるよな。
ありがたい。
「ばあちゃん、それにじいちゃん。 よろしく頼みます」
両方とも
俺とシルビアは、ルナのいるであろう方向を頼りに移動を開始。
シルビアの感覚頼りだが、どうやら中国大陸の方向らしい。
俺達二人ならかなり速く移動できるだろう。
ただ、海を越えるとなると、交通手段が必要じゃないのかと思ったが、大丈夫のようだ。
シルビアが風魔法で二人くらいなら運べると言ってくれる。
風魔法って、そんなに便利なのか?
風精霊の力を利用してかなりの時間滞空できるそうだ。
それに方向を指示すれば、結構な速度で移動できるという。
それは便利だな。
そんな会話をしながら、俺たちは高速移動していた。
シルビアはポーン、ポーンと軽く跳ねながら飛ぶように移動する。
かなりの速度が出ているだろう。
俺は、それを横に見ながら移動している。
シルビアはポーンと跳ねる。
少し遅れて、シルビアの胸もプルン・・。
後は言わなくてもわかるだろう。
目の保養だ!
ごっつぁんです!
魔物も、レベルの高い魔物は出てこない。
まぁ、都市部を移動してないからだろうとは思う。
1時間くらい走っただろうか、海が見えてきた。
日本海だ。
到着すると、早速シルビアが風魔法を発動してくれた。
見えないクッションのようなものがある。
それをグッと踏みしめて、より上空へと移動するといいらしい。
シルビアが説明してくれる。
そこから、俺とシルビアは大きくジャンプして、後は風の精霊に身を任せた。
空を飛ぶというよりも風に乗って運んでもらってる感じだ。
ふわふわと気持ちよくて、眠くなる。
ふわぁ・・。
あくびが出てきた。
シルビアは気持ちよさそうにいろいろ周りを見ている。
速度もそれなりに出ているようだ。
・・・・
・・・
しばらく漂っていると、シルビアの位置が俺の目線の上の方になってきた。
あれ?
俺の方だけ降下してるのか?
何でだ?
精霊さん、疲れたのかな?
シルビアが不安そうにこちらを見つめて言う。
「テツ・・すまない。 どうやら、精霊の力が足りないようだ」
力が足りないって、ねぇ。
いやいや、海の真ん中でしょう、ここって・・。
しかしまぁ、
「いや、別に構わないよシルビア。 ここまで運んでくれた精霊にお礼を言っておいてくれ」
俺はそう言いつつも近づいてくる海面を見つめた。
周りに島などはない。
結構、不気味なものだな。
陸に近い海はそうでもないが、外洋ってこんなものなのか。
深い緑というか青というか・・不気味としかいいようがない。
そう思っていると、足のすぐ下に海が迫って来た。
「ええい!」
言葉を発しながら、両足から着水した。
・・したと思った。
ん?
海の上に立っていた。
・・・
あれ?
!!
そうか!
俺って、隠密・・忍者の上位職じゃないか!
水の上くらい走れるだろう。
忍者には
スキルでそういったものがあってもおかしくはない。
なぁーんだ。
最初から海の上を走ればよかったんじゃないか!
そう思うと、俺は海の上を普通に走り出す。
陸を走っているのと変わらない。
ただ、俺の後ろには水しぶきが白く舞い上がっていたが。
シルビアはそんな俺を見て言葉を失っていたようだ。
走り出してからの移動速度は、精霊での移動に比べたら格段に速かった。
すぐに陸地に到着。
後はシルビアが来るまで待っていればいい。
ここって、中国の東の端だよな、たぶん。
初めての中国が、まさか走って到着とは・・世の中わからんな。
時間は8時前。
索敵をしてみるが、ここでも同じように海の近くには魔物はいないようだ。
それほど周りも荒らされている感じもないようだが。
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