第114話 ルナ王の探索に、ついて行ってもいいか?
気を良くしたのか、じいちゃんは連続で次の制作物に取り掛かったようだ。
大丈夫か?
ベストはアイテムボックスへ入れておこう。
さて、じいちゃんは置いておいて、ばあちゃんのところへ戻る。
隣部屋だからな。
優も一緒にお茶を飲んでいた。
何やってんだ、あいつ?
なるほど・・エルフたちを見ているのか。
見ればみるほど美人だよな。
ありえねぇぞ。
俺はこんな世界になったことに改めて感謝する。
エルフなんて、想像の存在だった。
だが今、目の前にいる。
しかも2人もだ。
・・・
想像の存在・・俺はこの言葉にひっかかった。
見たこともないものを想像できる。
これって、遺伝レベルで刻まれている情報なのだろうか?
誰が一番初めに想像したんだ?
もしかして、会ったことあるんじゃないのか?
それを具現化して物語として作ったんじゃないのか?
・・・
・・
余計なことが頭に浮かんでくる。
おっと、それはいい。
フレイアとシルビアがニコニコしながらばあちゃんに懐いていた。
ばあちゃん、エルフテイマーか!
フレイアはお茶が本当にお気に入りのようだ。
シルビアも気に入ったらしく、これまたマグカップを持って飲んでいた。
エルフって、緑茶が好きなのか?
「フレイア、話は終わったかな?」
「あぁ、テツ。 シルビアからいろいろ聞いたが、ダークエルフもいきなりの転移だったから、誰がこちらへ来ているのかわからないようだ」
そうなのか?
俺にはわからないからな。
「テツ、フレイアとも話をしてみたが、私は夜の王、ルナ様を探してみるよ」
シルビアが落ち着いた顔で話してくる。
夜の王って・・変なイメージをしてしまうな。
俺はエロい想像をしたが、すぐに振り払う。
「あぁ、アニム王にも聞いたが、ヴァンパイアだってな」
今聞いた情報を、俺は言ってみた。
「うむ。 私が転移してきているのだ。 少しのタイムラグはあるだろうが、どこかにいるはずだ」
なるほど・・そんなものかもしれないな。
後は、どの種族がどれくらい転移してくるのかわからないが、地球も楽しくなりそうだ。
俺は無責任にもそう思った。
「シルビア、俺も一緒に探しに行ってもいいか?」
俺はフトそう思い、発言してみた。
「本当か! 私としては、願ってもないことだが・・」
シルビアが喜んで立ち上がっていた。
フレイアも少し考えていたようだが、立ち上がって言う。
「テ、テツが行くのなら、私も同行しよう」
俺は少し考えて、フレイアに言う。
「う~ん・・フレイアはここでいてもらった方がいいような気もする」
なんか面倒なことが起こりそうだしな・・。
「な、なぜだ、テツ! 私が邪魔だとでもいうのか?」
「い、いや、違うよフレイア!」
俺は急いで弁明を試みた。
「フレイア、君が属する精霊とシルビアが属する精霊とでは、全く逆だろう。 それってどうなのかなと思ってな」
・・嘘だ。
「というのは、ルナ様だっけ? こちらに転移したとしても、状況がまるでわからないだろう。 もし、何かもめごとが起こった時に、違う属性のフレイアがいたら、困るんじゃないかと思ってな。 それに俺がいない間に強い人がいてくれると安心して出かけられる。 ばあちゃんのお茶も飲み放題だ」
フレイアは黙って聞いていたが、お茶の言葉に耳がピン! となっていた。
俺は適当に言ってみただけだが・・すまないなフレイア。
なんか
「でもフレイア、俺と念話できるようにしておこう。 そうすれば、いつでもフレイアに連絡が取れるだろ?」
フレイアは顔を上げて大きく
フレイア、チョロいぞ。
ただ、二人もエルフ・・しかも美人を連れて歩いたら、それだけで俺が抹殺対象になるだろう。
余計な面倒事はごめんだ。
それに、フレイアがいてくれたら優もおとなしくしているだろう。
「フレイアには留守番みたいなことを頼んで申し訳ないが、俺の母や父の様子も見ていてほしい」
俺がそういうと、フレイアがいきなりソワソワしだした。
「テ・テ・テ、テツ・・わ、私は、お嫁さんになった覚えはないぞ!」
おいおい・・何、早合点してるんだ?
エルフは天然か?
「いや、違うからフレイア。 ただ、フレイアがいてくれると、安心して家を任せられるんだ。 本当に頼りにしてるよ」
「お、おお、任せておけ・・違うのか」
最後の方は、小さな声でぼそぼそと何か言ってたようだが、俺にはわからなかった。
まぁ、フレイアの天然はともかく、本当に助かるよ。
「フレイア、いろいろと優とかに教えてやってくれ。 ただ、俺たちの家族のレベルとか職種は他の人には教えないで欲しい。 特にじいちゃんの錬金術士などは知られたくない」
「当然だろう、テツ。 風の精霊に誓って言わないと約束しよう」
フレイア、あんたも結構重いな。
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