第45話 ハンターって、凄いな・・でも、優は中学生だよな?


家に到着すると、お義母さんとばあちゃんが挨拶を交わしていた。

「お世話になります」

「いえいえ、どうぞご遠慮なさらずに・・」

などなどから始まり、リビングは賑っている。


俺が嫁たちを迎えに行っている時の事。

聞けば、優は一人で様子を見に行ったそうだ。

じいちゃんがついて行こうとしたらしいが、移動に邪魔だからと言われたらしい。

少しじいちゃんがおとなしいのはそのせいか。

じいちゃん、元気出せ!

優はまだ帰って来ていない。

俺もすぐに索敵を意識した。

ピッ!

・・ロンリーウルフが引っかかる。


位置的には俺の真正面の1単位を基準にすれば、左に1単位。

右に3単位、全部で5単位の集団だ。

そう思っていると、左端のロンリーウルフが消えた。

優か?

さすがに早いな。

あれ?

右端のロンリーウルフも消えたぞ。

・・・・

あ、右のゴブリンが速攻で消えた。


ということは、こちらが優だな。

左端のやつは・・田原さんか?

みんな強くなっているなぁ。

俺も負けていられない。

まずは、優に合流して後からついて行ってみよう。

右の2単位目もすべて撃破したみたいだ。

早いな。

やっぱりこっちが優だろう。


俺は、優が来るであろう真正面のロンリーウルフのところへ移動。

すると、優がすれ違いざまロンリーウルフを狩っていた。

!!

一撃かよ!

俺に気づいたようだ。

速度をゆるめて合流する。


「優、さすがに慣れてきた・・てか、見事な一撃だな」

俺は素直に言ってみた。

そして思う。 

そうなのだ。 

あまりにも見事すぎる。

相手なんて、自分が倒されたことに気づいてないんじゃないか?

「うん、自分でも驚いているんだ。 ハンターのスキルと思うんだけど、相手の急所がわかるんだよ」

優がいきなり言ってくる。

!!

何ですと?

おいおい、そんな便利なスキル・・俺にくれ!!

俺たちは会話しながらもゴブリンを討伐。

左端の1単位は消えたので、残り1単位だけだ。


優が最後の1単位のゴブリンを討伐し終えたら、田原さんが現れた。

「あ、町田さん、先ほどぶりですね」

田原さんは言う。

結構余裕が出てきたかな。

最後のロンリーウルフは田原さんに譲ろう。

ただ、田原さんではワーウルフはまだ無理だろうな。


「ども、田原さん。 あと、もう少しこっちへ行ったら少し大きな犬の魔物がいるので、田原さんがやってみます?」

俺はそう言ってみた。

「わかりました。 ありがとうございます。 やってみますね」

田原さんはそういうと、ロンリーウルフに向かっていった。

やる気あるなぁ、田原さんは。


俺と優は無論、ワーウルフ目当てだ。

・・

感知できた。

レベル10。

優に補助しようか? と俺が尋ねたら、一人でやってみるという。

まぁ、危なくなれば助けるし。

俺たちは移動する。

何かワーウルフが気の毒になってきたよ。

ワーウルフにしてみれば、俺たちのいきなりの出現。

ワーウルフがややビクッとしながら、上体を低くして吠えようとした。

優が前に出て、ワーウルフの横に回り背中のところ刀で突く。

ワーウルフはビクビクッとしてそのまま倒れる。

・・・

なんか、あっけないな。


それにしてもそこが急所だったのか?

俺には正確にわからない。

ハンターか・・恐ろしいな。


ワーウルフが蒸発して青い石が残った。

優がステータス画面に取り入れている。

俺は見とれてしまった。

見事だ。

完全に様になってる!

俺はレベルが高いだけで、これほど動けないだろう。

「優、凄いな。 あっという間だったじゃないか」

「それほどでも・・」

優はニヤッとしながら頭を掻いていた。


「それよりもおやじさん、レベルが10になったよ。 これでおやじさんと一緒だね」

優の声が弾んでいる。

「う・・ん、そうだな」

俺は言葉に詰まってしまった。

「どうしたの? もしかして、悔しいんじゃない?」

優は自信がついたようだ。

そういうことにしておいてもらおう。

まさかレベル15とは言えない。


ゆっくりと歩いて帰っていると、田原さんと合流。

「町田さん・・私もレベル5になりましたよ。 家に帰って、家族と相談しながら職を選んでみますね。 失礼します」

田原さんは急いで帰っていった。

うれしかったんだろうな。

ニコニコしていた。

俺達も家に帰ろう。

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