第2話 映画監督 黒澤明「乱」令和4年6月9日

黒澤明が、カラー作品になってダメになったという人も多い。確かに好きな作品は白黒作品の中にしか無い。カラーは色彩に頼ってしまうからと言っていたが、確かにそのように思うし、赤ひげなんぞ白黒なのに、最後はカラーのように思えたくらい凄かった。カラーの作品は観ていても引き込まれない。やはり「影武者」は勝新(降板させられる)で見たかったし、その後のリア王をモチーフにした「乱」は酷かった。


かつて「天国と地獄」で夏のシーンをわざわざ冬に撮り、白い息が含まないようにと氷を含ませた事は書いた。しかし、乱では馬の吐く息が白いのに、蝉の鳴き声を入れて、城を追い出された仲代達也とピーターが、うだるような暑さの中を石に腰かけ途方に暮れているシーンになったが、全くピンと来なかった。


強引に高倉健を口説いて出演させようとしたり、晩年の黒澤明は、映画自体もそんな評価に値する物はない。黒澤明は、「トラ・トラ・トラ」の途中降板もあり、元々アメリカの事をよく思ってなかっただろうが、スピルバーグや、ルーカス、コッポラーら監督から称賛を受け、ハリウッドから特別賞をもらったりして、調子に乗っていたのだろうか。


「トラ・トラ・トラ」の降板が引き金になったのか、その後自殺未遂をしているし、またその治療の薬の影響なのか、その後の作品でいいのが無くなった。


「乱」の映画のインターネットの記事を見て、5億の城を燃やそうが駄作は駄作だし、あれを黒澤明の作品とは思って欲しくない。白黒のマエストロだったのかな?黒澤明は。

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