第48話 第二ラウンド
夜が明けサンライト城に朝が来た。
カズマ、メイ、マリの三人はメイの部屋で朝食を済ませ、城門へと向かった。
城門の前に来るとシュウとドグマは既に到着して、射撃兵を配置していた。
その中に撮影班の僧侶達も混じって銃ではなくカメラを携帯していた。
カズマ;「首尾はどうだ?」
ドグマ:「順調だ。いつでも迎え撃てるぞ。」
その時空に花火が上がった。
シュウ:「来たべ。皆警戒するだよ。モンスターが第一トラップラインを越えたべ!」
ドグマ:「監視員!双眼鏡で見えるか!?」
監視員:「見えましたドグマ様!リザードマンの軍勢が城門に向かってきます!」
カズマ:「全員Frozengunを構えろ!リザードマンは動きが素早い!トラップにかかったところに集中攻撃だ!」
カズマが叫ぶと全員がFrozengunを構える。
二、三秒後にリザードマンの軍勢の姿が現れ、第二トラップラインに到達する。
先頭のリザードマンの脚がトラップの糸を引きちぎると罠が発動し、リザードマンの軍勢の一部が落とし穴にはまった。
そこを狙って射撃兵達はFrozengunを撃つ。
次々と凍り付くリザードマン達。
そこへ別の射撃兵達がHighpressuregunを撃ち込む。
ギューンギューンと音がした後、凍り付いたリザードマンが粉々に砕け散っていく。
後続のリザードマン達は城門からの攻撃に意表をつかれてひるんでいる。
そこへすかさずFrozengunを撃ち込むカズマ達。
ようやく第二トラップラインを抜けて城門へ近づいてきたリザードマンも腕や尻尾がちぎれてフラフラだった。
城門の射撃兵達は容赦なくそこへFrozengunとHighpressuregunを撃ち込む。
もはや大勢は決していたが、リザードマン達はひたすら城門へ近づこうとする。
そのリザードマン達からやや離れた所に二人の人間がいるのをカズマは見つけた。
カズマは双眼鏡を監視員から奪い取り二人を覗く。
一人は女、もう一人は鎧兜の男に注射を打っていた司令官。
『アイツだ!』
カズマは双眼鏡を放り投げ、司令官のいる方向へ向かった。
マリ:「カズマ!」
そう叫ぶとマリも城門を飛び降りカズマを追った。
チッと舌打ちをしてシュウもマリについてカズマを追う。
ドグマ:「オイ!待て!全員射撃やめ!」
ドグマは城門からの射撃が三人におよばないように射撃をやめさせる。
そして自ら城門の前でリザードマンの残党を迎え撃つべく下におりた。
城門から飛び降りた後カズマはリザードマンの群れに向かった。
そして群れの真上に飛びあがり、拳を振り下ろして群れの中に飛び込んだ。
拳は一体のリザードマンを頭から叩き潰して地面に振り下ろされた。
地面に叩きつけられた拳に光が集中する。
光は大きくなると爆発して周囲のリザードマンを吹き飛ばす。
カズマの半径3メートル程の地面がえぐれてあたりにはリザードマンの死体が転がっている。
カズマが再び司令官の方へ走り出すと一体のリザードマンがカズマに立ちはだかった。
カズマ:「邪魔だ!どけ!」
カズマは吠えると拳を突き出しリザードマンに殴りかかった。
リザードマンは素早くカズマの拳を手で捕まえる。
しかしカズマの拳は光を帯びながらリザードマンの手を吹き飛ばし顔面にヒットする。
拳はまた光を爆発させリザードマンの顔を粉々にした。
レム:「そんなバカな・・・なぜアイツがここに・・・」
モンスター軍の司令官レムはカズマの姿を見て驚いた。
リザードマンを吹き飛ばす様子を見たレムは逃げ出した。
カズマ:「待てコラ!」
カズマはレムを追いかけ、捕まえる。
レムは抵抗するが、カズマは素早く手足を紐でしばり、口にさるぐつわをする。
マリとシュウがカズマに追いつき、レムを取り押さえる。
カズマ:「アイツも捕まえる!」
カズマはそう叫ぶと逃げていく女を追いかけた。
みるみると女に近づくカズマ。
捕まえようとカズマが手を伸ばすと女が振り向いた。
無表情の女は綺麗な顔立ちで、普通の人間ではないとカズマは気づいた。
『エルフか?』
カズマはふとそう思った。
その一瞬の油断の間に女が手をカズマの前に差し出し何か唱えた。
「ファイア・・・」
女の手のひらに火球が現れる。
『ヤベェ!』
身の危険を感じたカズマは咄嗟に顔を両腕でガードした。
火球がカズマの両腕で爆発し、カズマは後ろに吹き飛んだ。
マリ:「カズマ!」
マリはそう叫んでカズマの所に走った。
エルフの女は馬に乗って退却していった。
カズマは倒れたまま気を失っている。
腕から煙が上がり、髪の毛の焦げる臭いがする。
苦しそうに呻いているカズマに対してマリは錯乱してカズマを呼び続ける
マリ:「カズマ!イヤァァァ!カズマ!」
リザードマンを殲滅したドグマとメイがシュウに追いついた。
シュウはレムの身柄をドグマに渡すとカズマとマリの所へ向かった。
取り乱すマリの首のあたりに手刀を叩き込むとマリは気を失った。
マリを抱きかかえるとシュウはワイヤレスマイクでマナに叫んだ。
シュウ:「マナさん!カズマさんが負傷した!大至急こっち来てけれ!」
そこへメイがやってくる。
メイ:「パーパ!ケガしてる!」
シュウ:「メイちゃん頼む!カズマさんをマナさんの所まで運んでけれ!」
メイは素早くカズマを抱きかかえ、城門に走って行った。
『メイちゃん、マナさん。後は頼んだべ・・・』
シュウはそう祈りながら城へ向かった。
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