第49話 治療
メイが城門までたどり着くと、城門内の待機所にマナが待っていた。
マナ:「メイさん!カズマ様をこのベッドに寝かせてください!」
いつもより強い口調のマナにメイは少しひるんだ。
マナの言う通りにカズマをベッドに寝せる。
マナは目をつぶり両手の掌をカズマの顔の上10センチ程離れた所に当てる。
マナ:「頭は・・・良かった・・・火傷が少し・・・」
今度はカズマの両手の上10センチ程の所に掌をおく。
マナ:「両手は・・・ひどい・・・骨がおれてます・・・」
その後マナは目をつぶったまま両手の掌を胸の前で合わせて何か唱える。
マナ:「癒しの神よ・・・この者の傷を癒したまへ・・・」
マナの両手の掌が光りマナはその光をカズマの顔にかざした。
カズマの火傷がみるみると治っていく。
その様子を見てメイが驚いている。
メイ:「アイヤー、すげー」
マナは続けて光をカズマの両腕にかざす。
シュゥゥ・・・と音を立ててカズマの両腕が光輝く。
骨が治療されているようだ。
最後にマナは再び両手の掌を胸の前で合わせる。
光が徐々におさまりやがてフッと消える。
その頃にはカズマは静かな寝息を立てていた。
マナ:「これで大丈夫・・・」
マナがホッと一息をつくとメイが興奮してマナに抱きついた。
メイ:「オマエすごいな!どうやったの?教えて!」
興奮したメイに体をゆすられてマナは目を回している。
マナ:「ちょ・・・ちょ・・・ちょっと・・・止めて・・・」
そこへマリを抱きかかえたシュウがやってきた。
シュウ:「マナさんカズマさんの状態は?」
メイ:「マーマ!だいじょぶか?」
メイはマナを放しマリをシュウから奪うようにして抱きかかえた。
マナはようやくメイから解放されたがフラフラだった。
マナ:「はいぃぃ・・・もう・・・だい・・じょう・・・ぶ・・・れす・・・」
シュウ:「ふぅぅ~良かった・・・一時はどうなるかと思ったべ・・・」
メイに揺すられてマリは気が付いた。
マリは眠っているカズマを見つけるとまた取り乱したようにカズマに駆け寄る。
マリ:「カズマ!カズマ!」
シュウ:「マリさん!カズマさんならマナさんが治療してくれたからもう大丈夫だべ。眠ってるから起こさないほうがいいべ。」
シュウがなだめるとマリは人目をはばからずにカズマを抱きしめ顔をうずめる。
泣いているようだった。
シュウはメイとマナに目で退出をうながした。
三人が待機所を出るとドグマがレムを守衛に引き渡していた。
ドグマ:「おお!カズマの様子はどうだ?」
シュウ:「マナさんが治してくれたからもう大丈夫だべ。」
ドグマ:「ぶふぅぅ~焦ったぜ・・・まったくカズマの奴後で説教だな!」
シュウ:「んだな。無茶な事ばっかりするだなあの人は。」
シュウはそう言いながらかすかに笑っていた。
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