異世界骨太魔王の序章 黒銘菓短編集33弾

黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)

骨の力

「フハハハハ」

高笑いが火の海に響き渡る。

魔王が人間を滅ぼしていた。




「燃えろ!」




火の中には人1人、動くもの1つ……居た。




白骨が1人分。動いていた。

炎の中、1つだけ。それは居た。


「スケルトンか。

何だお前は?何故ここにいる?」

見馴れぬ骨に問う。

「私!?よくぞ聞いてくれたっ!!

私はマッスルボーン!

火事で困った人を全員助け、その後良い感じの火力で骨格を鍛えていたっ!!」

矢鱈煩い&マッスルポーズが煩い。

骨なのに。

「むっ!!今、骨なのに何マッスルポーズなんだ?と思ったな。」

「あぁ。」

「人類は知らない。

人体は何も肉体美だけでは無いのだと!

人類は知らない。

骨格美の尊さを!」


知るわけ無い。見えんのだから。


「この町を襲う魔王。

最強と名高い魔王。

君を倒して骨格美の偉大さを世界に広める!!」


魔王を広告に?舐めてるのか?


骨格美とか言う謎ワードに倒されたら末代まで笑い物だ。



「よし、よく考えたら人間助けたお前は敵だ。

死ぬがよい。」

デス

即死魔法が骨を襲う。が…



「無ッ・駄ッ!」

弾かれた?

「骨は肉体が死んでも残り続ける。則ち不滅!」


マッスルがいい加減ウザい。


「なら粉砕だ。」

岩石ロック

頭から岩を落とす。が…

「無ッ・駄ッ!」

砕かれた?

「鍛えられた骨はダイヤモンドさえ凌駕する!

鍛え抜かれた我が骨、何人も砕く事能わず!」

ダイヤって、水晶並の脆さだぞ?



「見よ!鍛えられた不屈にして堅牢にして健康的な骨格の防御を! そして!」


バキ!


骨が距離を詰めて殴る。

ガードした腕が折れた!?




「時にそれは暴力的なPOWERになる!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る