神隠し父ちゃん

@noritaka1103

第1話 父親、失踪?

父と温泉に行った帰り、トイレ休憩の為に道の駅に立ち寄った。

この時は、数分くらいで出てくるだろう。と思い、トイレの周辺をうろうろしていた。

しかし、何分経っても父がトイレから出てくる様子が無かったので心配になった。

「小便と言っていたのに、遅い!混んでるようには思えないし、父の後から入った人も既に出てきてる。」


念のため、もう少し待ったが出てこなかった為、道の駅の職員に頼んで、トイレ内を見に行ってもらったが「あなたのお父様らしき方は居ませんでしたよ。ただ、ガラケーの携帯電話が中に落ちてましたが、これはお父様の携帯電話でしょうか?」

道の駅の職員から、渡されたガラケーの携帯電話は父の携帯電話で間違いなかった。

しかし、父の携帯電話が自分の手元にあるとなると電話では捜せない。


トイレの周りをぐるりと1周したがトイレの出入口は先ほど居た、あの出入口のみ。

窓も小さく、巨漢の父が窓から出るのはまず不可能。

一体、父はどこに消えてしまったのか?


何度も何度も大声で父の名前を叫んで呼んだがトイレの中、外からの応答は無かった。

どうしようとパニックになった末、最初に指示を仰いでもらったのは歳の離れた兄。

「まず、警察かどこかに連絡だ。むやみに1人で捜すと、お前さんまで行方不明になっちゃうかもしれないからな。だから、警察とかにとりあえず連絡。」

と言われて初めて、警察署に電話した。


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