『ぷらねたりうむ』 その2
やましん(テンパー)
『ぷらねたりうむ』 その2
『これは、フィクションです。相対論による細かい計算は、まったく、できないので、しておりませんが、もし、光の99.5%の速度で5年間宇宙空間を旅したら、地球では50年経つということでありますが・・・・・。』
🌌 ☆ 🌌 ☆
・・・・・と、おもちゃの『ぷらねたりうむ』の、ぼやけた怪しいお星さまに浸って、ぼくは、天井を向いたまま、ぼ~~っとしていたのです。
すると、そのお星さまの中に、なにか、とても明るい光が見えたのです。
それは、次第にもっと明るく、大きくなりました。
そうして、見る間に、宇宙船になったのです。
それから、真ん丸な、サッカーボールのような宇宙人が現れたのだ!
「こんばんは、やましんさん。お疲れですか?
もしよかったら、いっしょに、宇宙観光に行きませんか?
期間は、地球時間では1億年です。
ただ、宇宙船の中では、約20年ほどですが。
ま、あちこち寄りますからね。
何も無い星間では、ワープ航法も使いますが、莫大なエネルギーが必要なので、近距離では、光速の99,5%程度で移動します。
プロキシマ星系にも寄りましょう。
すばるも見に行きましょう。
太陽系の中心にある、ブラックホールも見に行きましょう。
また、それから、銀河系外、遥か彼方の、アンドロメダ星系の、名だたる観光地をご案内いたします。
オプションも、多数、ご用意いたしますよ。
料金は不要です。
ただし、あなたの身体の余ったエネルギーを少しずついただきます。
なに、効率の悪い・・・失礼ですが・・・あなたの身体にとっては、むしろ、生活習慣病なんてものから開放されることになりますよ。
かっこよくなって、女性からもてるようになりますよ。」
「一億年? はああ・・・・。ま、いいけどな。この世には、なにもないからな。このおうちは?」
「ちゃんと、保存して差し上げましょう。帰ったら、また住めますよ。文化財になると思いますが。」
「うん。いいよ。」
************ ************
それはまあ、ものすごい旅でした。
宇宙人はいました。
意思の疎通は、大変困難でしたが。
ブラックホールは、ちょと、言葉にはしがたいものでした。
なにも、見えなかったのですが、周辺地域は、かなり、おおごとのようでした。
アンドロメダ宇宙は、魅力爆発でした。
危機一髪もありましたが。
でもね、時間なんか、あっという間に過ぎ去ります。
************ ************
宇宙人さんのおかげで、ぼくの健康状態は抜群によくなり、帰宅したころは、80歳に達しようとしていましたが、まだ、あと100年は生きられるとのこと。
もっとも、むかしの人類は、すでに姿がなくなり、いま、地球の支配者は、その、まんまるな、玉のような宇宙人さんでした。
ぼくは、貴重な超古代人類の生きた標本として、博物館内に移設されたおうちで、長い余生を過ごしたのです。
他にも、実は100人程度は、いたらしいのですが・・・・・。
あまり、人には会いたくないぼくです。
で、あいかわらず、おもちゃの『ぷらねたりうむ』を、楽しむ毎日です。
星の位置は、ちょっと変わりましたが。
まあ、人生こんなものだ。
************ 🌌 ************ おしまい
続きがあるかな?
『ぷらねたりうむ』 その2 やましん(テンパー) @yamashin-2
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