コラム ―― 空白改行パート2

 空白改行に関して。

 以前も取り上げていますが、基本、空白改行の多用は無駄の極みだと指摘しています。

 自主企画で集まる作品を読むと、それら空白改行の無駄打ちが多数見られるのです。

 ウェブ小説と言う事であれば基本作者の自由ではありましょう。

 ですが、では読み手にとってどうなのか、その視点が欠如してやいませんか?


 中身の無いブログ記事よろしく、バカスカ空白改行を入れて、スクロールの手間ばかりが増大する、薄っぺらい作品に事欠かない現状。

 入れる事自体当人の自由ですから、第三者が文句を言うのは筋違いかもしれません。

 では、筋違いだから黙っているのか、と言えば、自主企画を主宰する立場で、尚且つ最大で三万文字読みます、と公言している企画主としては、中身が何であれ読むのですから、文句も出ようと言うものです。


 ここで、ただの文句ばかりでは意味が無いので、空白改行を入れる意味を考えます。


 例えば、物語の進行上、ここ一番で空白改行をぶち込み、それ自体に明確な意味を持たせる、そうであれば文句も出ません。

 レギュラーで登場する読者にも好かれる人物。

 そんな登場人物が亡くなってしまった。

 ファンタジーならばモンスターにやられてしまった、現代ドラマならば事故で亡くなった、または病気や殺人に巻き込まれたなど。

 そんな場面で、喪失感などを表すのに使用するならば、それは読み手にも伝わるでしょう。


 では、無駄打ちする小説がそれら見せ場として使用しているのか、と言えば、ただの無駄打ちであり、意味を見出せずただ場繋ぎとして使っている、そうとしか受け取れない使い方が極めて多い、そう感じます。

 通常、シーンの切り替えには記号を1~数個並べて挟みます。

 空白改行を数行から十数行も挟むのは、単に描写力の無さを示しているだけですね。


 人の感情表現の一部として多用する例も多いです。


 会話の繋ぎに盛大に空白改行を入れて、隙間だらけにする安易な手法です。

 これは、語る事を止めてビジュアルで訴えているだけで、中身は勿論ありません。

 楽なので使いたくなるかもしれませんが、スクロールの手間だけが増えて、作者の意図通りに空白を捉えるか、と言えば鬱陶しいだけです。

 そう受け取らない読者の方も多数居るとは思いますが。

 ですが、そう言った読者が多いと作者は育ちません。


 文章で表現せずにビジュアルで示そうとするのですから、表現力の向上は無い訳です。

 結果、中身の無い無駄な労力を強いる、つまらない作品で溢れかえる訳です。


 作者の方はその辺をよく考えて使ってください。


 意味のある空白改行と、中身の無い楽したいが為の空白改行。

 これは読めば分かります。

 感情表現で示したのであれば、空白で誤魔化さず文章を書き込みましょう。

 それをする事で、文章力、表現力が向上します。


 以上、少しでも読まれる作品、ファンの付く作品にしたいと願うのであれば、描写すべきはする、これを徹底しましょう。

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