第135話
「使わないで、どうするつもりだったんですか?」
「別の危機がやってきたときのために、とっておくのさ。それに、父が最後の切り札だといっていたけれど、僕らが気がつかなかっただけで、まだ手札は持っていたと思う」
「アシュラフ様は屈託がない少年のようでいて、実は恐ろしい方なんですね」
「けれど、アシュラフが間違わなければ阿刺伯国は安泰だ。英国や欧羅巴各国と均衡状態を保ちながら、国を発展させていくだろう」
トトトッと軽い音を立てて、二頭のラクダが砂漠を駆けていく。
振り返っても、もう王都は形も見えない。たった数日の滞在だったが、一年を過ごしたように長く感じた。
明け方に町を出て、オアシスを目指す。その逆のときもある。人のいないオアシスで裸になって抱き合い、町にたどり着くと人目を避けて口づけしあった。
小さな町ばかり通過してきたので、一線を越えるために必要なものをジョシュアはまだ手に入れていないようだった。
唇で身体の至るところを愛撫され、きつく抱き合って、最後にジョシュアの腹でこすられて液を出させられる。
ジョシュアと一緒に過ごす時間や、夜、腕に抱かれて眠ること、口づけも、それ以上のことも全てが幸せだった。
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