歴代最年少で剣聖になった少年

きなこもちもち

第1話


剣聖は剣を極めた者だけがなれる最高職のジョブである

ジョブは15歳を迎えると冒険者ギルドにて、選定の儀と言われる儀式が行われる

ギルドにある水晶に触れるとステータスプレートが発行される

そこへ自身のジョブが刻まれる

様々なジョブがあるが、1番憧れている者が多い剣士のジョブの説明をしようと思う

順番は、剣士、騎士、聖騎士、剣帝、剣王、剣聖の順に上がっていく

しかし、この世界の大半は騎士か聖騎士より上にいこうと思う者はいないのである

勿論少数だが、聖騎士より上を目指す者もいる

クレスト王国には歴代の剣聖達の名と剣聖になった年齢が彫られている石版が王国の広場に設置されている

そこに新たな剣聖の名が刻まれようとしていた.....









「レクス〜!剣の稽古するぞー!」

庭から俺を呼ぶ声が聞こえる

「はーい!今行くよー!」

庭の方へ走って行く

「来たかレクス、とうとう明日選定の儀だな!お前は剣の才能があるから恐らく剣士のジョブだろう!父さんが保証してやる!」

自信満々なこの人は俺の父親のレイドで、剣士の最高職の剣聖でもある

父さんは27で剣聖になり、俺は父さんが25の時に産まれたらしい

今は40歳になっている

「うん!俺も父さんみたいに剣聖になる!」

父さんは昔から俺の憧れだった

「まぁ、俺と対等に渡り合える時点でお前は剣王か剣聖ぐらいだと思ってるんだがな!」

はっはっはっと笑っているけど、15歳で剣王又は剣聖は歴代の人達の年齢を見ても誰もいない

「そんなことは無いよ、歴代最年少になっちゃうよ?」

稀に剣聖だったら良いな〜と思ったりするけれど、夢のまた夢だと思ってる

「ん?歴代最年少いいじゃないか!お前の名前が歴史に残るんだぞ?」

それはそれで恥ずかしい気がする...

「父さん!はやく稽古しよ!俺はまだまだ強くなりたい!」

父さんを超えたい

「もう十分強いと思うんだがなぁ...そんじょそこらの奴なんて目じゃないくらい強いぞ?レクスはな!よし稽古始めるか!どこからでもかかって来い!」

父さんが木剣を構えた

「わかった!それじゃいくよ!」

俺は父さんに正面から斬りかかった

父さんは難なく受け流す

だが、俺は攻撃の手を緩めない

「ほう、また腕を上げたな!」

日々父さんとの稽古で頑張ってるからね!

「毎日頑張ってるから!ても捌かれてるから俺もまだまだだね...」

父さんがバックステップで俺から距離を取った

「強くなったなレクス、お前に俺のスキル見せてやるよ!」

(俺は父さんのスキルを見たことが無い...初見で防げるか!?だがやるしかない!)

「スキル身体強化!」

スキルを使った瞬間父さんの体から淡い光の粒が溢れ出てくる

「身体強化基本は倍率が2倍だが俺は10倍だ!」

(父さんはスキル使わなくても強いのにまだ強くなるのか!?)

「ほら!どうした!反撃してみせろ!」

ガガガガンッ!

「くっ...速いし攻撃が重い!」

(俺にも、俺にもスキルがあれば!)

俺の正面の空間が歪み始めた

すると白銀の刀身に金色の柄

まさに聖剣だと言わんばかりの剣

「こ、この剣は?」

この剣は一体どこから現れたのだろう

「な、何なんだその剣は!?レクスのスキルか!?」

俺は剣を手に取った

するとさっきまでは動きやすい服装で戦っていた、だが、剣をとった瞬間に俺の全身を白銀の鎧が覆った

「これは俺勝てねぇな、父さんの負けだよ」

父さんは剣を地面に置いた

「やった!父さんに勝った!」

9年間父さんと稽古してきて初めて勝利した

「これでレクスは自信持って明日の選定の儀に行ってこい!」



俺は明日胸を張って選定の儀に行こうと思った

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