第78話 お買い物
新体制での部活が始まって1週間。
と言っても3年生も全く顔を出さなくなるわけではなく、指導や引継ぎで普通に部活に参加してくれている。
まだまだ教わる点は多いから助かる話だ。
そういえば全国大会で負傷した恩田先輩はねん挫だったそうだ。
当日はかなり腫れて痛みも酷かったみたいだけど今はだいぶ痛みも引いたからということで後輩たちの指導を積極的にしてくれている。
村田さんと楓はコート上でのテクニックを。浜野さんは戦術などコーチング的な面の指導を受けていた。楓曰く"凄く勉強になる"ということだ。
さて、そんな練習漬けな日々の中、皆で海水浴に行く日を明日に控え俺達は福島と村田さんと一緒にショッピングモールに水着を見に来ていた。
「太一 これとかどうかなぁ~」
「いいんじゃないかな 綾子に似合うと思うぞ」
「本当! ちょっと合わせてみるね!」
福島と村田さん。付き合い始めてもうじき1年になるらしいけど、夏の終わりに付き合い始めたこともあって一緒に海やプールは行ったことがなかったらしい。
ということで村田さんも水着選びには気合が入っているとの楓情報。
まぁそんなことを言いつつ、俺と楓も一緒に海やプールに行ったのは小学生の頃が最後。つまり俺も楓の水着姿は見たことが無いも同然だ。
実は密かに期待はしていたりする。
「ケンちゃん ど どうかな・・・・」
試着室のカーテンを少し開き俺を招き入れる楓。
「うぉ!!!」
長身でスレンダーだけど結構胸が大きい楓ならと選んだ黒ビキニ。
思わず声を上げちゃったけど、ちょっと破壊力強すぎかもしれないなこれ・・・
「へ 変かな・・・・」
「い いや似合いすぎで鼻血が出そう・・・」
「え?」
「じゃなくて、可愛いし他の男に見せたくないレベルだよ」
「ほ 本当? 似合う? でもこれ何だか恥ずかしいよ」
確かにそれなりに露出も大きいよな・・・
「じゃパレオとパーカーも一緒に買おう。俺がプレゼントするよ」
「えっ 大丈夫だよ 買うなら自分で払うよ」
「い いや水着選んだの俺だし、お 俺が楓の水着姿一人占めしたいからさ・・」
「・・・ケンちゃんのエッチ♡」
ということで俺的には結構刺激が強い水着を楓にセレクトしてしまったこともありパーカーやパレオはプレゼントした。
元々旅行資金を稼ぐために始めたバイトだったけど、将来を考えてその後も継続してるし、それなりにお金は持ってたりするのです。
そういう意味では、福島も村田さんの実家の酒屋でバイトしてるみたいだし、資金は潤沢なのかな?
元の制服姿に戻った楓とレジに向かうと同じくレジに向かう福島たちと会った。
「そっちも決まったみたいだな」
「あぁ色々刺激が強すぎるかも」
「だな。水着って見た目は下着と似てるけど、何というか違うよな」
「あぁなんでだろうな」
変なところで福島と意見が合ってしまった。
村田さんは、どんなの買ったんだろうか?
店を出た俺達は、前に楓と入ったカフェに入り明日の予定など色々と話をした。
俺と楓は普通に紅茶とケーキを頼んだんだけど福島たちは初めての店ということだったので、例のカップルパフェを勧めてみた。
照れながらもしっかり注文してたけど、その大きさに結構ビビってたな。
「しかし、田辺の知り合いって凄いよな。リゾートホテルの経営だっけ?」
「あぁ前にホテル泊まった時にお世話になったけど、凄く良い感じの人だったよ。
親父さんの後を継いだだけとは言ってたけど潰さずに経営してるんだから、才能とかはあるんだろな」
「俺も商売の事とか少し勉強しないとな・・・」
「ん?将来は村田酒店を多角経営にでもするのか?」
「ちょっと田辺君!!そういうわけじゃ」
「ふふ 綾ちゃんが照れてるし」
福島も"しまった"って感じで顔赤くしてるし、村田さんもメチャクチャ照れてる。
まぁでも今のご時世、ショッピングモールや大型スーパー、ディスカウントショップ等が増えてるから個人経営の酒屋とかの商店は経営とか大変だからな・・・
色々とお店を続けるためにはアイデアとか必要になってくるんだろうし。
親父たちも将来は独立して雑貨屋やりたいとか言ってたけどどうなんだか。
カフェを出た後は、ゲームセンターで4人でプリクラも撮った。
前に裕也と浜野さんとは一緒に撮ったけど福島たちとは初めてだな。
でも意外と福島が撮りなれた感があったのは少し驚いた。
後で聞いたけど村田さんがプリクラ好きで良く撮るらしい・・・お熱いことで♡
楓も凄く楽しそうにしてたけど、楓が言うには、今まで彼氏が居なかったから村田さんや浜野さん達と出かけても、こういうのは遠慮してたんだそうだ。
俺のせいか・・・なんかゴメン。
そして、川野辺駅前に戻り解散。
「じゃあ明日は少し早いけど8:00に川野辺駅前な」
「おぅ楽しみにしてるぞ!」
「じゃまたあした~」
「また明日~」
天気予報では明日は晴れ。
今から楽しみだ。
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