第72話 ホームルーム

週が明けていつもの学校。

といっても終業式までは1週間。

この高校では、授業らしい授業はあまりなく期末試験の結果が帰ってくるのを待つための期間となっているらしい。

もちろん単発の特別授業や選択授業、ホームルームなどは行われるみたいだけどね。


で、今はそのホームルームが行われている。

議題は"文化祭の出し物について"と"修学旅行について"

今は風邪をひいて休んでいる田中先生の代理の小島先生が、文化祭と修学旅行についての説明をしてくれている。


文化祭は11月とまだだいぶ先だけど、夏休みが間に入ることもあるので、毎年この時期に出し物だけ決めて生徒会に提出するらしい。

で、同じ出し物が多い場合は2学期早々に連絡が来て再調整になるらしい。

まぁ喫茶店とか多そうだもんな。

そして修学旅行。これも11月の後半とのこと。

行先は関西地区でホテルは決まっているけど見て回る箇所はグループごとに決められるらしく今日はグループ分けまでを行うらしい。

それにしても、まだ2年生の7月とか思ってたけど、11月を過ぎて2学期が終わるともう受験の1年前なんだよな。出来れば楓と同じ大学に行きたいけど進路も考えないと・・


と考えていると学級委員として今回も司会進行を小島先生に頼まれた。

ちなみに小島先生だけど、前に化粧をした姿が好評だったからか最近はきちんとおしゃれな服装で授業をしている。やっぱりこれも居酒屋に居た渋めの彼氏の影響なのかな?


おっ先生の話が終わった。じゃ始めるか。


「じゃぁまずは文化祭だけど何かやりたいものありますか?」


まずはざっくり聞いてみよう。


「喫茶店!」

「メイドカフェ!」

「ファッションショー!」

「お化け屋敷!」

「演劇!」

「執事喫茶!」


『結構色々出てくるな』

「え~と、じゃあ一旦受付止めるぞ」


と今出てきた案を黒板に書きだした。


「多数決取るけど、とりあえず意見出した人は、どういうのイメージしてるか簡単に説明してくれるかな」


ということで、それぞれの案をプレゼン?してもらった。


「だいたい、今の話でイメージ掴めたと思うから多数決取るぞ!」


・・・・・


執事喫茶?一番無いと思ったんだけど女子の票が高いな。

プレゼンした人曰く、浜野さん含め料理部の人が何人かいるから女子が料理を担当して男子が執事衣装をきて接客するということらしい。これ需要あるのか?

でもまぁ多数決だしな。


「じゃあ文化祭の出し物は執事喫茶に決まりだな」

「「は~い」」

「あと、実行委員は誰かやりたい奴居るか?」

「・・・・・」


まぁ面倒だからやりたがらないよな。


「あの~私じゃないんですけど、結城君を推薦します」

「ちょ俺?!」


と慌てる結城。っていうか何で?


「え~と何で結城推薦なの?」

「・・・今、B組の渋川さんからメッセが来て、B組で実行委員やることになったから結城君を推薦してって」

「あ~ 実行委員の集まりとかも今後あるみたいだからね。一緒に帰ったりしたいのかなぁ~ 仲が良ろしいことで・・・・♪」

「・・・・・うぅ」

「じゃあそういうことで結城で決定でいいか」

「「は~い」」

「はい・・」


渋川さんは優等生だし率先して立候補したんだろな。結城諦めろ!


「じゃあ小島先生。後で生徒会に申請だしておきますね」

「ん。頼んだ」


以前だったら結構ノリノリで話に食いついてきたのに今日は何だか素っ気ないな。最近は帰るのも早いみたいだしもしかして恋の病かな?

とまぁ詮索はこれくらいにして、俺は楓に視線を送り次の議題に移って貰った。


「それじゃ次です。修学旅行のグループ分けですけど、さっき先生からお話があった通りグループは他のクラスの人と組んでも構わないそうです。

 ということで、明後日のホームルームまでに各自グループを決めて配布した用紙を提出するようお願いします。

 なお、グループは4人~8人位目途ということです」


と楓。うん流石綺麗に話がまとまってるな。

グループ分けは連絡だけだし今日の議題についてはこれで終わりかな?


「先生、後何かありますか?」

「ん。特にないけど夏休み前だからってあんまり浮かれて事故とか怪我とかには注意するように!以上」


そうそう確かにこの時期事故とか多いらしいよね。


ということで少し早めだけどホームルームは終了。

俺は早速裕也達とグループの話をした。


「裕也と浜野さん一緒だろ?俺と楓とグループ組まないか?」

「おぅ俺も声掛けようと思ってたんだ」

「うん!もちろんOKだよ~」


これで4人だな。

村田さんや長谷部、結城は相方さん次第かな?


「ねぇ綾は福島君と組むんでしょ?福島君B組のグループかなぁ?」

「ちょっと聞いてみるね♪」


と村田さんはスマホで何やら福島に連絡。他のクラスはまだ授業中だもんな。

メールの後少し雑談していると福島から「田辺グループでOK」との返事が来た。


「じゃぁ綾と福島君も一緒だね」

「うん。よろしく♪」


結城はテニス部、長谷部は湯川さんつながりでバレー部のメンバ中心のグループに入ったみたいだしこれで決まりかな。


まだ先だけど今から楽しみだ。


****************

ちょいちょい出てくる小島先生と渋めのおじ様とのお話は「おっさんと先生」にて連載中です。一応61話の[小島先生]近辺から並行した時間軸で話が進んでます。

 

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