第70話 二人旅行②

チェックインを済ませ、案内された部屋は何というか高校生の泊るレベルの部屋じゃなかった。

オーシャンビューの位置に配置された高級そうなダブルベッドの寝室。

そしてその脇は小上がりの小さな和室があり、その横には温泉引き込みのお風呂までついていた。もちろん風呂からも海が見える。

部屋も全体的にゆとりを持った広々とした作りだ。


「こ ここに泊っちゃっていいのかな?」

「なんだか、ちょっとビビるけど、お金もちゃんと払うんだし折角なんだから贅沢を楽しもうぜ!」

「うん そうだね。折角ケンちゃんと2人きりの旅行なんだしね♪

 ・・・・・あ あとでお風呂も入ろうね」

「あ あぁ そ そうだな。でもその前に夕飯だな。お刺身とか美味しそうだよな」

「うん 楽しみ!」


ということで、高級そうなベッドに寝ころびながら色々と語り合い夕飯までの時間を潰した。


そして夕飯。ホテル最上階のレストランへ。

チェックインの時にもらったチケットを受付で渡すと海が見える窓際の席に案内された。そして、海を眺めんながらしばし待つと、お刺身の船盛りを中心に山菜や茶わん蒸しなど"2人分?"と疑いたくなるような豪勢な食事が出てきた。


「何だか、部屋もだけど驚かされることが多いな」

「うん。こんなの食べるの初めてだよ」

「まっ とりあえず食べようか」

「「いただきま~す」」


と早速美味しそうなお刺身を一口


「このお刺身美味しいな。何の魚かなぁ?」

「うん。凄く美味しい。油ものってて歯ごたえもあって。でも何の魚だろ?」


あるあるだけど、刺身は美味しくても何の魚かわからない・・・


「それはタチウオですよ。天ぷらもありますよ。今朝たまたま漁港に入ったので船盛りに入れたんです」

「ありがとうございます・・・あの失礼ですが?」


テーブルの横に現れたスーツを着たちょい悪風な男性が魚の事を教えてくれた。


「あぁ失礼。自己紹介をしてなかったね。私はこのホテルの支配人をしている真壁です」

「あ、こちらこそ失礼いたしました。父が僕たちの事を相談していた方ですね。素敵なホテルに泊めていただき本当に感謝しています」


と僕と楓。二人そろってお礼を言った。


「いや 気にしないでいいよ。君のお父さん田辺 雄一君とは以前一緒に仕事をしてたことがあってね。色々と助けてもらったんだ」

「そうなんですね。父からは取引先と聞いていたのですが」

「取引先であることは間違いないよ。このホテルの調度品は結構な数を雄一君から買わせてもらったからね。まぁ今回は1泊だけど色々とおもてなしさせてもらうから楽しんでってくれたまえ」

「はい ありがとうございます」


と真壁さんはレストランを出て行った。

見た目は怖そうだったけど、話すと優しい感じの人だったな。

突然の支配人登場でビックリはしたものの、その後は美味しい料理をお腹一杯まで食べ、大満足で部屋に戻った。


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「う~ 食べ過ぎた・・・」

「はは 楓お刺身だけじゃなくて、ご飯も結構食べてたもんな」

「だって美味しいお刺身にはご飯も欲しいじゃない」

「ま確かにな。ごはんも炊き加減というか美味しかったよな」

「うん。でも食べ過ぎたぁ~」

「お風呂は部屋に付いてるし、ゆっくり食休みしてから入ればいいさ。俺も食べ過ぎたし食休みしながら待ってるから」

「う うんそうだよね。お風呂一緒に入るんだもんね」


俺が"待ってる"といったことでお風呂に一緒に入ることを思い出したらしく急に照れ始めた。

『よ~し』

俺はうつぶせにベッドに寝ている楓の背中を人差し指でスーッとなぞってみた。


「ひゃん!」


油断して寝転がっていたところの急なボディタッチで楓の体が跳ねた。


「け けんちゃん!!」

「はは ごめん♪ごめん♪ 何だか照れてる楓が可愛くて」

「うぅ~ またそんなこと言う・・・」

「まぁテレビでも見ながら少し休も」


とテレビを付けた


「あ、話を逸らした!ズルい」


などとしばらく楓と食休みも兼ねたイチャイチャタイムを楽しんだ。


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そして、夕飯も消化されだいぶお腹も落ち着いてきたということでお風呂に入ることになった。


「ケ ケンちゃん 前みたいに先に入っててくれないかな。何だか恥ずかしいから」

「あぁわかった」


一緒にお風呂に入る以上の事も既にしているわけだけど、何というかやっぱり明るい中でお互いの裸が見えるのは照れるよな。


体を軽く洗って汗を流し、ベランダに作られた露天風呂に入る。

眼下には伊豆の夜景、空は満点の星。何だか贅沢なお風呂だな。

湯加減も丁度よく何だか筋肉がほぐされるというか疲れが取れる気がした。

『やっぱり温泉っていいなぁ』

と温まっていると浴室の扉が開き楓が入ってきた。


「おじゃましま~す」

軽く体を流し湯船に入る楓。

「きょ 今日はこの間より早かったな」

(前は随分入るまで時間かかったよな。というか目線何処見れば)

「う うん2回目だし・・・」

(でもやっぱり恥ずかしいよこれ)

「「・・・・」」


何だか無言になってしまったけど、頬が上気した楓は妙に色っぽい。

目線を楓に向ければ、色々と見えてしまう(まぁ俺も見られてしまうわけだけど)わけで正直理性を保つのが結構辛い。。。

ん?そもそも理性保つ必要あるのか今日って?

などと俺の中の天使と悪魔が葛藤をしている中


「ねぇケンちゃん背中流してあげるから洗い場行こ!」

と声を掛けてきた。

「あ あぁよろしく頼む」

楓はタオルにボディソープをつけ、俺の腕を優しく拭いてくれた。

自分で洗う時と違い何となくくすぐったい。

両手を洗い終えると、何故か背中にボディソープが垂らされ、楓が急に抱き着いてきた。

そして、驚く間もなく楓が体を上下させ始めた。

柔らかいものが背中に押し当てられる感触がヤバい・・・

「え?何?」(何が起こった?)

「んっ ケンちゃん気持ちいい?」(恥ずかしいよこれ・・・)

「なっ 楓!どこでそんな技を!」(すげぇ気持ちいい!!)

「い 嫌だったかな・・・?すごく恥ずかしいんだけど、恩田先輩が彼氏にしてあげたら絶対喜ぶってみんなに話してたから・・・」

「そ そうなのか。 い嫌ではないぞ。むしろ気持ちいい」

(恩田先輩 部員に何て素敵な事を教えてるんですか!)


何だかこれだけで鼻血が出そうなくらい興奮して理性がヤバかった。

そして、その後、前の方も洗ってくれたんだけど・・・本当ヤバかったです。

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