第10話 バスケ対決
これ以上面倒で残念な方々とは極力関わらないと心に誓いつつ、残りの昼休みを楓と過ごし午後の授業に臨んだ。
午後の授業は英語から。
伊達に4年間海外に居たわけではないぞ!ということで、英語は一番得意な科目だ。英文読解に英会話全然余裕!
そして放課後。
楓に声を掛けられバスケ部に向かおうとしていたところ、清水が声を掛けてきた。
「田辺 バスケ部見に来るんだろ?一緒に行こうぜ!」
「むぅ~ ケンちゃんは私が案内するんだから大丈夫!」
とちょっと頬を膨らませる楓
「そ そうか?っつうか小早川・・・いつもと何だかキャラが違うぞ?」
「何というか本人も自分が抑えられず困惑中らしい まぁ仲良く3人で行こうぜ」
「4人だよ~ それにしても楓は田辺君が絡むとポンコツだよねぇ~」
と村田さんも会話に加わってきた。
そういえば村田さんもバスケ部って言ってたよな。
何だかこの4人で居ると昔を思い出すな。
昨日案内された体育館の入り口まで4人で移動し、それぞれ着替えるため更衣室に向かった。俺も昨日清水から着替えを持ってくるよう言われていたので、ジャージに着替え靴もバッシュに履き替えた。
「田辺は背も高いし、何だか絵になるね。ユニフォームとかも似合いそうだ。俺は残念ながら175で止まっちゃったんだけど、田辺は180位あるだろ?」
「そうだな去年測った時は181だったかな」
「羨まし!」
と更衣室のドアが開き長身の生徒が2人入ってきた。
「あ、小宮先輩に佐藤先輩!お疲れ様っす」
「おぅ清水。ん?そいつは?」
「昨日メールで連絡した幼馴染です。見学って言ってたけど練習に参加してもらおうか思いまして」
「なるほど。背も高いし動き次第じゃ即戦力だな!
俺は3年の小宮で一応部長をやってる。こいつが副部長の佐藤な」
「初めまして。田辺です。お手柔らかにお願いします」
と先輩に挨拶の後、清水と2人でコートに出て軽く柔軟。
何だか体を動かすのが久々な気がする。
体育館はバスケコートが2面取れるようになっており手前側を男子、奥側を女子のバスケ部が使っている。以前使われていた旧体育館も第2体育館としてまだ使われているらしくバレーボール部やバドミントン部が交代で使っているらしい。
清水から説明を受けていると楓と村田さんを先頭に女子バスメンバもコートに出てきて柔軟を始めた。Tシャツにジャージ姿の楓も何だか新鮮だ。
というか女子バスは多分ほぼ全員集合っぽいのに男子はまだ集まらないのか?
などと思っていると小宮先輩を先頭に男子バスメンバもコートに集まってきた。
そして、新学期1回目の練習ということで、男子女子の部員が集められて顧問の田中先生から今期の大会などのスケジュールと仮入部という扱いにいつの間にかされていた俺の紹介があった。
後で聞いたところ楓と村田さんが見学ではなく、仮入部ということで先生に話をしていたらしい。まぁ見学は練習に参加しないもんな。。。
で、再び男女別れて練習がスタートした。
正直進学校ということで、あんまりレベルは高くないと思っていたけど、練習内容もメンバのレベルも結構高く思えた。後で清水に聞いたら男女ともに県大会でもいいところまで行くレベルらしい。
そんな厳しい練習も終盤になり、1対1でのシュート練習に入った。
オフェンス担当がパスを受けたところからスタートしドリブルやフェイントでディフェンス担当をかわしシュートする結構ハードな練習だ。
「田辺 バスケでは初めてだけど昔みたいに勝負しようぜ!」
と清水。
こいつとは小さい頃にサッカーでよく1対1の勝負をやっていた。
勝率は確か俺の方が高かった気がするが全勝ではない。バスケの実力はどうなんだろう?
ちなみに楓ともサッカー勝負はしていたけど俺も清水もほとんど勝てなかった。
今考えても楓の運動神経は半端なかったな・・・
と昔を思い出していると俺と清水の順番となった。
最初は俺がオフェンスで清水がディフェンスだ。
[ピッ]
小宮先輩の笛の合図に合わせ佐藤先輩が俺の方にパスを出す。
素早くパスを受け取ると、清水の方へドリブルでダッシュ。
少し腰を落とし両手を広げる清水の脇をフェイントで抜けるように左に体を傾ける。清水もそれに反応し体を向ける。中々良い反応だが俺の狙いは別。
身体とは逆方向である右側にノールックでパスをするようにボールを床にたたきつけた。ボールの音で一瞬視線を外した清水の脇を抜け、バウンドしたボールを空中でキャッチしややフックシュート気味にダンクを決めた。
一瞬静かになるコート。
隣のコートから
「凄い・・・・ 凄いよ!ケンちゃんカッコいい!!」
と俺を大絶賛する楓(見てたのか。頼む恥ずかしいからやめてくれ。。。)
そして、いつもと雰囲気の違う楓をみて戸惑う女子バスメンバと「即戦力で使えるなぁ」と佐藤先輩。そして顧問の田中先生と話しだす小宮先輩。
そして
「あ~ バスケなら勝てると思ったのになぁ!」
と頭を掻く清水。
「向こうでもバスケやってたって言っただろ。それに向こうの方が本場だぜ」
「・・・あらためてお前の運動神経が化け物だってのは思い出したよ。
ただ俺だって中学からバスケ一筋で頑張ってきたんだ次は負けないからな!」
「おぅ望むところだ返り討ちにしてやるぞ」
その後、ディフェンスでも俺は清水を圧倒。
悔しがる清水に小宮先輩が一言。
「いいライバルが出来たじゃないか。もう1ランク上がるチャンスだ頑張れ」
そして俺に対しても
「いいセンスしてるな。とりあえず仮入部届は破棄して入部届に変えといたんで
次回からは部員として部活に来るように以上!」
ん?俺入部確定したの?
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