ずれてる人

 ズレている人を見てしまうと、全身がむずむずしてイタタと感じてしまう。ネットの世界ならまだしも、実際に出会ってしまうとしたら尚更だ。

 変わった人だな、そんな人もいるんだな、と笑ってしまえれば良いのだが、僕はどうやら共感能力が高いらしくどうしても自分が相手の立場になったことを考えると気分が悪くなってしまう。

 どうしてそうなったのか聞いてみても、生まれつきこんな感じだったと天然アピール。その人は口癖のように繰り返す。

 

「私って世間一般の人とはちょっと違うじゃない?だから、他の人が楽しいって言ってても理解できないことも多いし、皆とは違ったものの見え方をしちゃうの。でもそれは私の個性だから全然気にしてないの。」


 僕はそれを聞いて、もの凄い失礼な考えかもしれないが、むしろ今までどうやって生活してきたんだろうと思ってしまう。


 そんなに全身のパーツがバラバラにズレてしまっているのに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る