第12話戦う意思

多くの人について行って

マルデリゼという都市に着いた。


災害の避難所や難民キャンプみたいだ。アルストメリア軍があちこちで飯をくばってた。軍を統率してる奴は有能だな。


俺は飯を食いながら考えた。

何で俺らを殺したりしないんだ?


「そりゃあれだろ。俺らを生かしておいてこきつかうんだろ。」

おやっさんが入ってきた。

「お、おやっさん」

おっと思わず漏れてしまった。

おやっさんは、すこし驚いた顔をして、

「おやっさん…」

げっ!

「悪く無いな」

(悪くねえのかよ!)

おやっさんは、俺の横に座って食べ始めた。

「こき使うとは?」

「農業とかに使うんだろ。」

「俺たちは、低賃金ではたらくことになるだろう。」

「それは、まだいい方でな、最悪奴隷だぞ。」

他の人が割って入って来た。

「成る程。」

「その対策のために軍が交渉したりしてんだよ。」

「いざとなりゃ、俺らは戦って女子供を国外に流すさ!」

確かにそうするしか無いな。俺はその女子供に混じって国を出よう。

などと思ってたら

「あんちゃんも戦うだろ。」

え?

「そうだ。若いのは戦え!」

「俺らももう年だ。頼んだぞ!」

えーーーー。

無理だろ。むりむり。戦闘経験ゼロ。武術もやった事ない。魔法も超能力も使えない。そんな人間が魔王軍と戦うなんて無理だろ。

「無理です。戦う術が無い。」

少しの沈黙の後。

「戦い方なら教えてやる。」

「え?」

「魔法も基礎から教えてやる。」

マジか!うれしす。でも戦いたくねえ!

「戦え!」

「鍛えてやるから」

などと言われて

最後には

か細い声で

「はい。」

と呟くしかできなかったとさ。


泣きたい。逃げたい。

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