第10話脱出

あちこちで破壊音がする。街は散らかっていた。

俺とおやっさん(仮称)は、何とか生きている。

韋駄天の如く走った。メロスより走った気がするが気のせいだろう。てかなメロスあれ歩いてるからな最初のほう。

てか、危ない場面でこれ思える俺って凄くね?


「もうすぐ進めば門がある。そこから抜けるぞ」

おやっさんが教えてくれる。

「はい」

俺は出来るだけ短く答えた。


地面が石なのであまり走り慣れてないけど、何とか逃げられそうだな。


などと思っていたら、

突然後ろから今までと比べものにならないくらい大きな破壊音がした。

「おい!後ろを向くな!生きたいのなら前だけ見て走れ!」

おやっさんが叫ぶ。息を切らしているけど大丈夫か?

「進み続けましょう。」

おやっさんは、前を向いて、小さくうなづいた。


前に門が見えて来た。

他にも何人か逃げた人が見えた。


「ここまで来たら大丈夫だろ。」

「ハァ、ハァ。あっぶね。」

取り敢えず外へ、王都の外へ出よう。


門を出ると農場や草原が広がっていた。

少し離れた所に沢山人が集まっている。

ほぼ全員が同じ方へ逃げようとしていた。

「何処に向かっているんだ?」

「マルデリゼという街に行くつもりだ。取り敢えず行こう。あそこなら物資もあるだろう、安心だ。」

おやっさんがそういうなら着いて行くか。


暫く歩いて後ろを見ると、

王都が燃えていた。夕日が沈む時くらいに綺麗なオレンジ色…炎に染まっている。

それを見た人立ちは、

「この王国は、どうなるんだ!」

「もう終わりだ。」

「アルストメリアはおしまいだな。」

などと言っている。

俺もどうすっかなー?

王都で何かしようと思ったけど、燃えちまったし。


生きることを考えよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る