最強と偽らない魔王と最高を偽ろうとする勇者と俺の話
鈴木 那須
第1話えーと…序章!
俺は普通に暮らしていた。
高校生活を送っていた。楽しい日々だった。
が、
俺は事故に会った。
よくある、交通事故だ。幸い即死だった。幸いと言うのは可笑しいな。でも痛みは、全く感じなかった。不幸中の幸いだな(どっちやねん!)
出来ればもう一度人生を送りたい。
最後まで、生きてみたい。大学に行きたい、結婚もしたいし、稼ぎまくってみたい。また、友達とバカ騒ぎしたい。
でもどうしようも無い。
俺は死んだんだ。
もう、戻ることは出来ない。
……………………
などと回想してみた。暇すぎて。俺は何日いや、下手したら何週間かここに居る。
ここはいったい何処なんだ?
何故か俺は真っ白な空間にいる。
手は、何かふよふよしたモチみたいになっている。気持ち悪。自分気持ち悪。
浮いているような感覚だ。全身ホバークラフトだ。ぶよぶよよーん。いや!ふよよよーよーんだな。
ここが天国とか、あの世とかなのか?
だったら普通花園とかのイメージだろ。桃源郷みたいな?ユートピアのイメージだ。花が咲き誇り、水があちこちから溢れ、果物とかはそこら辺中になっており、あちこちに金塊やらが落ちているイメージだ。(薄汚い心の持ち主が考えそうなこと)
だがここは、本当に何もない。真っ白なだだっ広い白い空間だけが広がっている。
あの世とこの世との狭間とか?
うーん?
わかんね、しょーがね。
何もする事がないんだ。
漂って暫く遊ぶか。ふよふよ、ふーよーん。
そう言って何日いや何年が過ぎただろうか?
特に何も起こらなかった。
おかしい。おかしいだろうが!
こういう時は普通、何か女神(駄目)が出てきて、「魔王を討伐してきなさい」とか言って転生する所だろ!
まだか!まだなのか!まだその時では、無いのか!一体いつまで待たせんだよ!俺は待ったぞ!セリヌンティウスより待ったぞ!
と叫ぶ感じで思っても何にも起こらない。口が無いので叫べない。食べることも出来ない。が空腹感が無い。身体が無いようなもんなので整体活動が、無い。間違えた。生態活動だな。多分。
こうなったら、勝手に行ってやる!来ないのなら自分から見つけるしか無いじゃないか!
でもな、どうやって行くんだ?
取り敢えず移動…できるのかな?
今体無いようなもんだし。
取り敢えずやってみるか!
おっ!何か動いてる感有る!すげえ。人間やれば出来るってホントなんだな。どうやら俺もYDK。やれば・出来る・子供(やってみなければ ・出来るかわかんないと言って・結局やらない子)のようだな。
ふよふよと動けた。この調子でどっか行ってみよ!
俺は彷徨い続けた。
ふよふよとクラゲの如く。ただ、流れてるだけの感じもするが…
ら…
何かあった!意外とあるもんだな。
ワープホールみたいなのが!真っ白いこの空間に1つだけ真っ黒な怪しいものがある。
目立つので簡単に発見できた。
これに入ったら行けるのか?
取り敢えず、行ってみるか!
何故かテンションが上がった。うおおお。
こうして、俺はワープホール(?)に飛び込み、望み通り異世界に来た。
この時によく考えもせずに飛び込んだ事を後悔する。
今思い返したら泣ける。
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