終わりの境界

熊月 睦

プロローグ

 この世界は人界と魔界の2つに分かれている。しかし、2つの世界は永久に交わることなく現世までを暮らしていた。


 人界では魔界のことをおとぎ話や子どものしつけに使う言い伝えぐらいでしか語られず、空想の生き物という認識しかなく、魔界に住む生き物たちは、凶悪で残酷な生き物と語られることが多かった。しかしある物語では、絶対的な存在に屈した人族と魔族がお互いの力を合わせることが必要と知り、種族の枠を超えて協力し絶対的な存在に立ち向かう物語なんてものもある。他人を信用し信頼し、見た目ではなく中身を知ることでその人の本質を知る。そういう人間に育ってほしいという願いを込めて昔々に作られた話なのだろう。


 お互いの世界はなんの変哲もない物語を歴史に描いていた。優しい親元に生まれ健やかに育ち、穏やかな日常を歩んでいく.....はずだった。しかし、突如として人界と魔界をつなぐ ゲート が出現した。どうやって出現したのか、そして何のために出現したのか、まったく不明だが、その存在は両方の世界を脅かすこととなる。この出来事をキッカケに物語は様々な色を付け始めた。


 空想の生き物だと思っていた魔族の存在は人界に住む人々を脅かした。人間にとって害なすものと語られた物語は魔族たちとの戦争の火種になるには十分な理由となった。お互いの種族はどちらかが滅びるまで争いをやめず、争いによって減っていった戦力は兵士を育成する機関[育成会]の見習いすら戦力とし争いを続けた。


これから語られるは人界と魔界の種族間戦争の物語だ。




     ―――2つの世界が重なるとき物語は動き出す―――

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