第4話 公爵令嬢は準備する 1

成認式の事を質問しまくって、これからの時間は式典当日の立ち振る舞いの打ち合わせやマナーの練習になった。


「成認式は一日がかりの、重要な式典です。

式典でのその子の姿が、その家のあり方と言っても過言ではありません。

馬車が王都に入ってから、お屋敷に戻られるまで、気を抜いてはなりません。」


この国の国民であるなら、例え貴族だろうが奴隷だろうが、成認式は5歳以上の人なら誰でも通る道。


国の重要人物や、もしかすると国王様にだって見られているかも知れない場所で、お粗末な言動や失礼な態度なんかしてしまったら、死ぬまで笑い者にされるで済むかわからない。


ただ、5歳児に一日中きちんと大人しくしてろと言って、出来るもんなんだろうか。


日本の小学校の入学式ですら、キョロキョロしたり泣いたりする子もいるくらいなんだし。


この国の5歳児は、年齢に見合わない課題が義務付けられている。


因みに、私は普段からお母様から厳しくマナーを躾けられているので、立ち振る舞いは特に問題ないらしい。


ただ、パーティーに参加したことがないからと、立食の作法をする事になった。


立食かぁ、どんなものが食べられるんだろ。


てか輝行自身も、立食経験なんて立ち食いそばくらいしかない。


今日の昼食は、練習も兼ねて立食になった。


使用人に協力してもらって、当日の様な環境を作ってくれるらしい。


金持ちのやる事は規模が違う。


昼食までの時間に作法やマナーを教わって、昼食で実践。


訂正があればその場でその都度指摘してくれると言われた。


いやぁ、これで成認式当日は恥をかかずに済みそうだ。


…当日のフランドール次第なんだけどね。

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