温い珈琲と安い煙草
温い缶コーヒーと安い煙草を持って、生温い夏の夜の風を浴びる。窓から入ってくる風も、背後の扇風機から届く風も、全て心地悪い。
けれど、そんな心地の悪い感覚が、不思議と気持ちよく感じる。
涼を求めて買った風鈴の素朴な音色にも苛立ちを感じるが、そんな環境が好きな自分もいる。
遥か上空から私を見下ろす満月に睨みを効かせ、煙草に火をつける。不味いなと小さく笑う。
紫煙を満月に吐き出し、珈琲を一気に飲み干した。何も意味がないことではあるが、どこか愉快な気持ちになっていく。
明日も私の愚痴聞いてな。と、満月に手を振り、電気を消した。
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